初戦を前に監督対談 鹿島学園戦、盛岡大付かく戦う
2021年8月12日09時00分 朝日新聞デジタル
【岩手】第103回全国高校野球選手権大会に出場する盛岡大付は13日午後3時半開始の第4試合で、鹿島学園(茨城)と対戦する。盛岡大付の関口清治監督は、かつて岩手県高野連でアドバイザーを務めた鹿島学園の鈴木博識監督と旧知の間柄で、打撃論を交わしたこともある。相手校の印象や意気込みをオンラインで聞いた。
――対戦が決まった瞬間はどう思ったのか。
関口 びっくりした。鈴木監督は若手指導者らが憧れる存在。挑戦できるのは非常に光栄なこと。
鈴木 すぐに関口監督の顔が思い浮かんだ。強豪と対戦しなければならないというプレッシャーと、うれしさが半分ずつあった。
――相手校の印象は。
関口 エースの薮野は制球がよく、一級品のスライダーを持っている。好投手と戦えるのは楽しみ。
鈴木 中軸が非常に力強いスイングをしている。渡辺投手は低めに集める投球が印象的だ。
――どう戦うのか。
関口 攻撃力を生かし、点を取って試合を作っていきたい。
鈴木 薮野を中心に守り、失点をできるだけ抑えれば勝機はある。
――旧知の仲だからこそのやりにくさは。
関口 打撃の指導法は、鈴木監督との議論を生かしている。鈴木監督の前では丸裸も同然だが、なんとか勝機をつかみたい。
鈴木 関口監督は自分の型を破っていく強さがあるので、当時とは大きく変わっているのでは。
――警戒する選手は。
関口 薮野の対策も大事だが、中軸の高久と大塚にできるかぎり回さないようにしたい。
鈴木 5試合連続で本塁打を放った金子、4番の小針。1番の松本はコロナ禍で試合が減っている中、通算64本塁打は驚異的だ。
――期待の選手は。
関口 バッテリー、特に投手の渡辺がどれだけ我慢できるか。攻撃面では松本が塁に出られるかだ。
鈴木 2年4~5人がベンチに入る若いチーム。船田、羽鳥が中軸にどうつなげるかが鍵になる。
――理想の試合展開は。
関口 いつも選手に「5―3のゲームができるようになろう」と言っている。好投手なので、少ない機会で集中力を高めたい。
鈴木 5点以内の試合なら勝機はある。打撃戦になっても食らいついていく。
――最後に意気込みを。
関口 昨年の3年は甲子園を目指せなかった。今年は立てるだけでも喜びを感じる。感謝を胸に長く試合をしたい。
鈴木 負けないで終わるのは全国で1チームのみ。選手には「どういう負け方をするかが大事だ」と言っている。初の甲子園で思い切りプレーしたい。(聞き手・西晃奈、伊藤良渓)