愛工大名電エース、無念の途中降板 打撃では意地のHR
2021年8月11日20時21分 朝日新聞デジタル
(11日、高校野球選手権大会 東北学院5-3愛工大名電)
初めての甲子園は球が上ずった。何度も顔をしかめて、首をひねる。愛工大名電の左腕・田村俊介は「球場の圧がすごくて、制球が乱れてしまった」。
一回にいきなり先頭打者に死球を与えた。次打者を併殺に打ち取ったが、リズムに乗れない。四球、死球。修正できないまま、三回に相手打線につかまった。最速145キロの実力を発揮できないまま、この回途中2失点で降板した。
だが、へこたれない。打撃でも3番打者を任される主将だ。「流れを引き戻したかった」と、八回に中堅右へ2点差に迫る特大の一発を放ち意地をみせた。
短い夏だったが、涙はない。「この経験を次のステージに生かしたい」。「二刀流」に磨きをかけ、プロを目指す。