「小さいときからの夢の場所に感動」 初の聖地踏みしめ
2021年8月11日09時00分 朝日新聞デジタル
【福島】第103回全国高校野球選手権大会(日本高野連、朝日新聞社主催)は10日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開会式があった。今夏は新型コロナウイルスの感染防止対策で甲子園練習がなく、初めてグラウンドに立った日大東北の選手たちは夢舞台の感触をかみしめながら、初戦への士気を高めた。
式はコロナ対策で簡素化された。右翼後方の入場門から入ってグラウンドを1周する行進は行われず、外野から内野に向かって歩くのみ。式の前も各チームが分散して待機し、4カ所から分かれてグラウンドに入った。
日大東北の選手たちは午前8時40分過ぎ、福島大会の優勝旗を手にした松川侑矢主将(3年)を先頭に、マスク姿で三塁側アルプススタンド脇から登場。岡部歩夢・一塁手(同)は食い入るように球場全体を見わたし、吉田達也・投手(同)は仲間と談笑してリラックスした様子だった。
午前9時に始まった式は冒頭で、福島市出身の古関裕而が作曲した大会歌「栄冠は君に輝く」を、俳優で歌手の山崎育三郎さんが独唱。その後、北北海道代表の帯広農から順に各チームが紹介された。8番目に校名を呼ばれた日大東北の選手たちはかけ声を控え、前を見つめて静かに行進した。
式後に電話で代表取材に応じた松川主将は「小さいときから夢だったところに立てて感動した。ほかのメンバーもわくわくしている感じに見えた」と興奮した様子。テレビで見た過去の甲子園の試合が頭に浮かび、自分がプレーするイメージもわいたという。14日の近江(滋賀)との初戦に向け、「練習で試合の感覚をとり戻し、いつも通りのプレーができれば」と意気込みを語った。(福地慶太郎)