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7月29日の高校野球 大阪

2021年7月30日04時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権大阪大会は12日目の29日、準々決勝4試合があり、ベスト4が決まった。興国は中盤の好機を逃さず、公立勢として唯一勝ち残っていた八尾を完封。大阪桐蔭は金光大阪にリードを許すも、終盤に逆転した。30日は休養日で、31日に準決勝2試合があり、興国と履正社、大阪桐蔭と関大北陽が対戦する。

     ◇

 金光大阪は初回に3点を先制したが、大阪桐蔭にじわじわと追い上げられた。リードが1点になった七回裏2死一、二塁。金光大阪の先発右腕、伊藤大貴君(3年)は打席に相手の4番を迎えていた。捕手の岸本紘一君(2年)に「自分たちが格下。気持ちで抑えよう」と声をかけられ、落ち着けた。

 「デッドボールになってもいい。力いっぱい腕を振ろう」。声をあげて投げた渾身(こんしん)の直球は打ち上げられ、左飛に。思わずガッツポーズが出た。

 伊藤君は昨夏も背番号1をつけて初戦の関西創価戦で先発した。しかし、初回に本塁打を打たれるなど、五回までに5失点。途中でマウンドを降りた。試合は0―12で7回コールド負け。先輩たちから「負けたのはお前のせいじゃない」と慰められたが、「自分のせいなのに、慰められたのが逆につらかった」。申し訳なくて、ピッチャーをやめたいとすら思った。支えになったのは同級生たちだった。全員が「お前がエースだからがんばれ」とずっと励ましてくれた。この日も、再三のピンチで、「あきらめんな」とバックに背中を押された。

 力になったのはグラウンドに立った仲間だけではない。伊藤君は1年のころ、金光大阪が夏の大阪大会で準優勝した先輩たちの姿をスタンドから見てあこがれた。今度は自分の番と思っていた。「大阪桐蔭相手にマウンドに立つのは怖い。でも試合を見ている後輩たちにいい野球、いい投球を見せたかった」

 大阪桐蔭はここまで全試合をコールド勝ちで進んできた。伊藤君は強打の相手に八回途中まで投げ、3失点と粘った。横井一裕監督(46)も「よく投げた。入学してから一番いいピッチングだった」とたたえる。

 試合は八回に逆転され、惜敗した。でも、昨夏のような後悔はなかった。「この日のために3年間やってきた。自分たちの力を最後まで出し切れました」とすがすがしい表情だった。(甲斐江里子)

     ◇

 3点を追う九回表1死、八尾の4番、殿井来河(らいが)君(3年)に打順が回ってきた。前の打席はインコースのスライダーを見逃して三振。「この打席もスライダーで攻めてくるはず」。狙い球を絞った。初球は空振りしたが、2球目のスライダーをたたくと、内野安打となった。

 打線がつながり、2死一、二塁に。打席には代打の西俣壮君(3年)。殿井君は自分が生還すると信じて、声を張った。「絶対打てるぞ。振り切れ」。打球は遊撃手の正面に。最後の夏が終わった。

 昨夏の大会で、コールド勝ちを目前に代打で出場した。しかし、殿井君が当日のメンバー表に登録されていなかったことが判明し、没収試合となった。

 このトラブルは、大会前にけがをしていた殿井君が急きょベンチ入りしたことで起こった。「先輩の夏を終わらせてしまった」。しばらく後悔し続けた。

 先輩たちは「切り替えて頑張るしかないやろ」と言葉をかけてくれた。再び前を向いて野球に臨めるようになった。

 この日は4打数3安打。チームは公立校として最高のベスト8に入った。

 「『楽しかった』と言って終われるように試合に臨んできた。悔いはありません」。明日からは本格的に受験勉強を始める。野球部の先輩がいる関西の国立大を目指し、そこで野球を続けるつもりだ。(安井健悟)

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