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7月29日の高校野球 山口

2021年7月30日04時00分 朝日新聞デジタル

 2年分の夏を、高川学園が取り戻した。山口マツダ西京(山口市)で29日にあった山口大会決勝。昨夏の県の独自大会で優勝した高川学園が、ノーシードから勝ち上がった宇部鴻城をくだした。夏の甲子園出場は5年ぶり2回目。全国大会は8月9日、阪神甲子園球場で開幕する。

     ◇

 2年の時を経て、真のエースになった。

 序盤は球が上ずった。2年前の夏と同じだ。2019年、山口大会準々決勝。宇部鴻城戦に先発したのは当時1年生の河野颯(はやて)君だった。四回までに2本塁打を浴び、3失点。緊張から、自分の投球ができないままマウンドを降りた。チームは延長戦の末に敗れた。

 「次は絶対に負けない」。エースとして立った、この日の決勝のマウンドでは違った。低めの直球が決まらなくても、焦りはなかった。春先からネットスローを繰り返し、カーブやカットボールの精度を上げてきた。「真っすぐで押しても打ちとれない。緩急で振らせよう」。捕手の山崎帆大(かいと)君(3年)と話し合い、中盤以降はスローカーブなどの変化球を多く使って、相手打線をほんろうした。

 今大会、決勝を含む5試合すべてを一人で投げ抜いた。70キロ台のカーブから130キロ後半の速球まで緩急自在にあやつり、奪った三振は42。ピンチの場面でも表情は変えなかった。「背番号1をつけている以上、強い自分でいたかった」

 最後の球が遊撃手のグラブに吸い込まれた瞬間、マウンドにチームメートが駆け寄ってきた。スタンドに目をやると、保護者や先輩の笑顔が見えた。「ほっとした」。涙で顔がくずれた。「何があっても最後まで河野でいくつもりだった。正真正銘のエースだった」。試合後、松本祐一郎監督がたたえた。

 憧れの投手がいる。高川学園で2016年に初めて夏の甲子園出場を果たし、現・東京ヤクルトスワローズの山野太一さん。河野君がここ一番の試合で使うグラブは、中学生の時に山野さんからもらったものだ。「あの背中に追いつきたい」。山野さんがプレーした甲子園の舞台が待っている。(寺島笑花)

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