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明豊監督「厳しすぎたら選手迷う」 指導方法を自問自答

2021年7月30日14時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権大分大会で、4年ぶり7回目の優勝を果たした明豊の川崎絢平監督(39)に、自ら「最弱」と評したチームが、春夏連続の甲子園出場をつかむまでの道のりを聞いた。「甲子園に忘れ物をとりにいく」。選抜大会で一歩届かなかった日本一を目指し、チームは8月9日からの選手権大会に臨む。

 優勝を決めた翌々日の今月27日、明豊の野球部専用グラウンドで練習が再開され、選手らは坂道で走り込みをしていた。厳しい表情で見つめる川崎監督は、「大会期間中は、どうしても練習がやさしめになるので、また一から体力増強をしています」と語った。

 「これまでは常に選手を厳しく指導し、ある意味追い込んでいました」。智弁和歌山の選手時代は、3年とも夏の甲子園に出場した。10年前に明豊の部長に就いて以来、現役時の経験に基づいて選手を厳しく指導してきたという。

 だが、春夏連続出場が果たせない。ライバル校から「夏に弱い明豊」と思われそうになっていた。「本当に悩み、眠れない日が続いた」と振り返る。

 現チーム結成時、選手らにあえて「これまでのチームで最も弱い」と告げた。すると選手らは自ら考え始めたという。「素直に私の言うことを聞いてくれ、その積み重ねが強さにつながった」と分析する。「追い込みすぎたら選手が迷い、不調になってしまう。このチームには緩急をつけ、考える時間もつくってみた」

 選抜大会を終えた川崎監督は、「春夏連続」のために打って出た。簑原英明捕手をスタメンから外したのだ。簑原捕手は中学時代、地元福岡の少年チームの主力として全国大会に出場した実績がある。だが、今年6月に飯塚(福岡)との練習試合で負けた後、全員の前で本人へ告げた。「いつまでプライドを引きずっているんだ。中学のとき活躍したかもしれんが、明豊ではお前は8番打者だ」

 選抜大会以来、大振りになりがちだった簑原捕手だったが、低く鋭い打球を意識して懸命に練習した。九州大会でマスクをかぶった田中文都(あやと)捕手へ親身にアドバイスする姿を見た川崎監督は、「本当に感心した。投手陣にも自分が捕手をしているかのように鋭い指摘をしていた。これで大分大会を戦える、と確信した」と振り返った。

 飯塚戦で投げた財原(さいはら)光優(あきひろ)投手には「横手投げで(球速が)140キロを超す投手はどこにでもいる。実際、打たれたじゃないか。そろそろ力だけで押し切るのはやめろ」。財原投手も緩急を駆使する投球術を身につけた。川崎監督は「リードする簑原の意識が変わったのも大きい」と評価する。

 大分大会で最も苦戦した初戦の大分雄城台戦。財原投手は7回を2失点に抑え、終盤の逆転を呼び込んだ。簑原捕手は七回にチーム初得点につながる安打を放ち、さらに同点のホームを踏んだ。もっとも川崎監督は、「実は内心ドキドキでした。あんな大接戦で、ドキドキしない監督がいたら教えてください」。

 苦心の指導が実った大分大会だったが、監督自身は、その指導が正解だったか考え続けている。全国の強豪との対戦を前に、「明豊らしいのびのび野球ができたら、きっと日本一という結果がついてきます」。自らに言い聞かせているように聞こえた。(倉富竜太)

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