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7月27日の高校野球 群馬

2021年7月28日04時00分

 群馬大会は第14日の27日、上毛新聞敷島球場で決勝があり、前橋育英が健大高崎を延長戦の末に6―1で破り、中止となった102回大会を挟み5大会連続6度目の優勝を果たした。五回に健大高崎が先制したが八回に前橋育英が同点に追いつき、延長十二回に岡田の2点本塁打などで前橋育英が突き放した。両校が決勝で対戦するのは16~18年に続き4回目で、過去3回に続き今回も前橋育英が勝った。前橋育英は8月9日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する全国大会に出場する。

     ◇

 主将として、4番としての責任。背負ってきた思いが乗った一打だった。

 1点を追う八回表、1死一、二塁で、打席には前橋育英の皆川岳飛(みなかわがくと)(3年)。「次の打者につなごう」とだけ考えた。

 最初の2打席は、いずれもチェンジアップを振らされて内野ゴロに倒れていた。「次も投げてくる」。そのチェンジアップを狙い、左方向に流すように打った。二塁走者が生還し、試合を振り出しに戻した。

 県内屈指の強打者。1回戦から3回戦まで3試合連続本塁打を放った。「自分が打って勝つ」との思いが力みとなり、準々決勝は内野安打1本、準決勝は無安打だった。

 荒井直樹監督いわく「プレーで引っ張る主将」。選手権大会が中止となり、代わりに開催された昨年の県独自大会でも中軸を打った。新チームになってからは公式戦で勝てない日々が続いた。昨秋の県大会では健大高崎に7―10で敗れ、今春の県大会は太田に7回コールド負けを喫した。

 太田戦はけがのため出場しなかったが、「ベンチからもっと声を出すべきだった」とプレー以外の面での役割を自覚した。

 この敗戦を機に、チームは毎日の全体練習後、ポジションごとに集まって互いのプレーや練習姿勢について指摘し合う時間を持つようになった。自身は積極的に意見を言うほうではなかったが、言いにくいこともあえて言うよう心がけた。

 ノーシードで挑んだ今大会。「最激戦ブロック」に入り、昨秋4強の桐生第一、春優勝の関東学園大付を接戦の末に破り、準決勝では太田に雪辱を果たした。今年のチームのスローガン「一心」の通り、ベンチに入れない選手とともに戦い抜いた夏。「主将らしい一打で貢献できてよかった」。普段はクールな顔に安堵(あんど)の表情を浮かべ、優勝を素直に喜んだ。(中村瞬)

     ◇

 延長十二回表。1対1の緊迫した投手戦が続く中、先攻の前橋育英が無死二塁の好機を迎えた。打席には3番の左打者・岡田啓吾(2年)が入る。確実に勝ち越そうと犠打も想定される場面だが、サインは「打て」だった。

 荒井直樹監督に迷いはなかった。「あの子はチャンスに強い」。岡田はこの日、2本の二塁打を放っていた。

 「打てることがうれしかった。後ろにつなげて勢いをつけたい」。

 冷静だった。変化球が多い。同じ球は連続して来ない……。2球見送って3球目。狙っていた内角の変化球をしっかりと引きつけて、はね返した。右翼席へ吸い込まれる2点本塁打。公式戦の3本目は、甲子園出場を決める決勝点となった。ベンチも、黄色く染まった一塁側スタンド側も沸いた。「走っていて、みんなの笑顔が見えた。うれしかった」

 安中市内の中学校から「レベルの高いチームで野球がしたい」と前橋育英に進学した。昨秋にメンバー入りして、春には主軸を任された。後ろの4番にはプロ注目の強打者・皆川岳飛(3年)がいるため、リラックスできるという。

 勝った後も守りの面で「もう少しで取れた打球があった」と反省を口にした。夢の舞台でさらなる成長を誓う。「チームを引っ張る気持ちで臨みたい。守り勝つ前橋育英の野球を全国に知らせたい」(張春穎)

     ◇

 攻める気持ちは最後まで切れなかった。前橋育英のエース外丸東真(そとまるあづま)(3年)と健大高崎のエース今仲泰一(3年)との投げ合いは延長へ。外丸は「折れたほうが負け」と自らに言い聞かせた。

 七回裏。打席には今大会3本塁打を放っている健大高崎の強打者・小沢周平(3年)。カウント1―1からファウルで10球粘られたが、ストレートで攻めた。「あそこで逃げるようじゃ打たれた」。最後は、この日よく決まっていたスライダーで空振り三振に打ちとった。

 春の県大会3回戦の太田戦。持ち味は制球力だが、四回、コースぎりぎりを突く球が外れて四球を連発。交代後に味方が打たれ一挙7点を取られた。動揺し、この試合から頭が離れなくなった。悔しさと情けなさから、翌日も自宅の部屋で泣いた。気持ちの持ち方がいかに大事かを学んだ。

 今大会は6試合すべてで先発。春に敗れた太田との準決勝では、7回1失点と好投。四球は一つだけだった。決勝の大一番は12回を投げ抜き、制球力は最後まで安定していた。荒井直樹監督は「今大会一番の投球」とたたえた。精神的に強くなったエースが、チームを甲子園に導いた。(中村瞬)

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