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7月27日の高校野球 新潟

2021年7月28日04時00分

 第103回全国高校野球選手権新潟大会は27日、ハードオフ・エコスタジアム新潟で決勝があり、日本文理が優勝した。中止の前回大会を挟み、2大会連続となる11回目の全国選手権大会出場を決めた。敗れた新潟産大付は同校最高成績の準優勝。全国選手権大会は、8月3日に組み合わせ抽選会がオンラインであり、9日から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。

 一回表無死満塁、日本文理の4番、渡辺暁仁(あきと)主将(3年)が打席に入った。準決勝までの打率は2割6分3厘。好調な打線の中で不振が続いていた。

 3球目、140キロの外角低めの直球に体が自然と反応した。体勢を崩されながらも振り切ると、打球は左翼方向に高く上がった。「泳がされた感じでレフトフライかと」。打球はそのままスタンドに吸い込まれた。球場が歓声に包まれる中、思わず走りながらガッツポーズをした。

 部員数は100人を超え、常に勝ちを求められる強豪校。昨夏、前主将から「プレッシャーはすごい」と言われ、主将を引き継いだ。全力でチームを引っ張ろうと思った。しかし、今の3年生は、目立った選手がいない「力のない代」と言われてきた。チームとしての総合力を高めるため、「思ったことを素直に言ってくれ」とミーティングで下級生に呼びかけ、学年に関係なく話せるような環境づくりに努めた。

 次第に、失策をした3年生に下級生が「しっかり」と声をかけることも珍しくなくなった。エース田中晴也(2年)は「3年生でもダメなプレーは見逃さないし、助言もする」。捕手竹野聖智(同)も「3年生に意見を聞いてもらえ、自信にもつながる」と話す。

 すぐには結果につながらなかった。昨秋の県大会では、準々決勝で加茂暁星に完封負け。春は4回戦で関根学園に九回裏二死から5失点、逆転サヨナラ負けを喫した。「このままじゃまた同じ結果になる。練習の量も質も足りない」と鼓舞した。

 終盤の粘り強さをつけるため打撃練習の最後の一振りはヒット性の当たりを出すよう全員で取り組んだ。自身も一心にバットを振り続けた。打球で割った校舎の窓ガラスは入学以来10枚近くになった。

 「夏に見返す」という思いでノーシードで臨んだ今大会。決勝の大舞台で試合の流れを呼び込んだ。

 九回、新潟産大付の最後の打球は左翼を守る渡辺のグラブに収まった。「ほっとした」。マウンドでは学年関係なく集まった仲間が、満面の笑みで待っていた。顔をほころばせ、マウンドに駆け寄りながら、思った。「次は甲子園で勝つ」。すぐに次の舞台を見据えていた。(小川聡仁)

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