スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

7月26日の高校野球 徳島

2021年7月27日04時00分 朝日新聞デジタル

 大会最終日の26日、徳島県鳴門市のオロナミンC球場で決勝があり、阿南光が接戦の末に生光学園を破り、再編統合前の新野以来25年ぶり2度目の夏の甲子園出場を決めた。阿南光は8月9日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する選手権大会に挑む。

     ◇

 「バックを信じて思い切り投げてこい!」

 初回、阿南光の捕手・岡川涼弥君(3年)はマウンドに何度も駆け寄り、森山暁生君(2年)に声をかけ続けた。ここまで3試合を1人で投げ抜いてきた後輩エースは、連投の疲れで腕の振りがやや縮こまり、「いつもは重い球が軽く感じた」。

 結局2点を先制されたが、その裏2死一、三塁の好機で打席が回ってきた。「絶対に返してやる」。初球の真っすぐを振り抜いた。打球は左前に。ベンチが歓喜に包まれる中、一塁ベース上でニコリともしなかった。「まだ1点負けている。油断せずにいこう」

 二回表の守備では、冷静なプレーでチームを助ける。2死三塁。走者が本盗を決めようと、突然突っ込んできた。素早く気づき、森山君に本塁へ投げさせタッチアウトに。「横目でしっかりと動きを捉えて対応した」

 三回裏の攻撃では、再びバットで後輩エースをもり立てた。2死一、二塁のチャンス。やや高めの直球を右前にはじき返した。序盤で同点に追いつき、森山君も落ち着きを取り戻すことができた。

 岡川君は以前は三塁手だったが、捕球から送球までの素早さを見込まれ、中山寿人監督から「キャッチャーをやってみないか」と持ちかけられ、今年2月に捕手を引き受けた。

 捕手は中学時代に少し経験があるだけだったが、「試合に出られるなら何でもやりたい」と必死に練習を続けた。初めは森山君の鋭く曲がる変化球を止めるのに苦労したが、今では「どんな球も絶対に止めてくれる」と全幅の信頼を置かれるようになった。

 試合後、「素直にうれしい」と話したが、敗れた相手チームの気持ちを思い、喜びをあまり表に出すことはなかった。「甲子園のレベルは高いと思うが、森山をしっかりリードして一勝をめざしたい」。静かに闘志を燃やしていた。(吉田博行)

     ◇

 九回裏、無死一、二塁。サヨナラのピンチ。生光学園の主将・吉田隆希君(3年)はマウンドに集まった内野陣に呼びかけた。「ここまで何度もピンチをしのいできた。自分たちがやってきたことを信じて、最後まで守り切ろう」

 80人を超える大所帯のチームで、1年生の夏からレギュラーを務めてきた。新チーム発足時には投票で主将に選ばれたというが、幸島博之監督は「投票というか、満場一致でした」。

 内気な性格で、気持ちを前面に出せないタイプ。しかし落ち着いたプレーで周りを引っ張り、後輩たちが居心地のいいチーム作りを意識してきた。自分自身、上級生の中でプレーする重圧を感じてきたと同時に、たくさん声をかけてもらった経験があるからだ。

 今大会、5試合先発した2年生エースの奥浜宏平君へは、「1人じゃない。3年生がついてる」「お前で打たれたら仕方ない」と励まし続けた。

 試合でもチームの要として、攻守で活躍を見せた。特に打撃では、5試合中4試合で適時打を、阿波戦では2点ランニング本塁打も放った。決勝では得点には絡めなかったものの、初回は先頭打者安打で出塁し、チームに勢いをつけた。幸島監督は「いろんなものを背負ってやってきてくれた。今年は隆希のチームだった」。

 中学3年だった3年前、徳島大会決勝で生光学園が敗れる姿をスタンドから見ていた。勝つことの難しさを痛いほど感じ、「決勝戦で絶対勝ちきる」という決意を胸に入学した。決勝の壁は厚かったが、「打席に入るとき、『お前が一番やってきたから打てる』とみんなに声を掛けてもらえた。最後までやりきった」。すがすがしい表情を見せた。(紙谷あかり)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ