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鹿島学園バッテリーつないだノート 決め球に「それだ」

2021年7月27日07時30分 朝日新聞デジタル

 (26日、高校野球茨城大会決勝 鹿島学園3-2常総学院)

 キャッチャーが求めたサインはスライダーだった。「カットボールを投げたい」と首を横に振る。だがもう一度、差し出された指もスライダーを示していた。

 二回裏2死二、三塁。常総学院を相手に3点リード。打たれると勢いがそがれる大事な場面だ。2ボール2ストライクと打者を追い込んでいる。

 「高久が言うなら」。鹿島学園の薮野哲也投手(3年)は、捕手の高久塁君(2年)へ思い切りスライダーを投げ込んだ。打者を一ゴロに打ち取り、窮地を脱した。

 後輩と先輩のバッテリーだが、配球は後輩の高久君が決めている。

 1冊の大学ノートがある。昨秋の関東大会で専大松戸(千葉)にコールド負けしてから書き始めた。

 投球練習や試合の後、高久君がその日良かった配球を薮野君に口頭で伝える。薮野君はそれを踏まえ、自分の課題をまとめてノートに書き込む。そのノートを2人で見返す。

 寮では同じ部屋。毎晩、配球について話し合った。「この球種の方が良かったんじゃないのか」「何であの時、あの球種を要求したのか」。意見が違って当たり前で、なぜそう思ったのかを言い合うことが大事だった。

 投手がノートをつけることにも意味がある。「自分がノートをつけたら、配球が自分だけの作業になってしまうから」。高久君はそう話す。

 お互いの考えがわかっている。だからあの場面でスライダーを投げ込めた。

 九回裏、最後の打者から三振を奪った球は手元で変化するカットボールだった。「空振りをとれる球を」と高久君が要求したサイン。「それだ」。薮野君が大きくうなずく。ウィニングボールが乾いた音を立てて、ミットに収まった。(伊藤良渓)

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