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バレー部→再び野球部へ 帯広農を優勝に導いた苦労人

2021年7月26日13時36分

 (25日、高校野球北北海道大会 帯広農19-2帯広大谷)

 四回裏、帯広農の1番打者、西川健生選手(3年)は、深呼吸をして打席に立った。粘った6球目。低めの球を引っ張ると、打球は左翼線の適時二塁打に。「もう一度、甲子園に行って打つ」。だからこの試合は、負けるわけにはいかなかった。

 帯広農は昨春の選抜大会で21世紀枠に選ばれた。大会は新型コロナウイルスの影響で中止になったが、代わりに開かれた夏の甲子園交流試合に出場し、健大高崎(群馬)と対戦。2年生だった西川選手は、1番打者として甲子園の打席に立った。だが、試合に出た2年生4人のうち、ひとりだけヒットを打てなかった。

 野球は中学でやめ、高校ではバレーボール部に入っていた。だが、高1の8月、たまたま見た甲子園の中継で気持ちが揺れ動いた。「やっぱり野球はいいな」。新チーム結成時に野球部に入り直し、久しぶりにボールを握った。

 感覚を取り戻し、硬式に慣れる日々。練習は予想以上に厳しく、音を上げたくなった。でも、先輩や先に入部した同級生に置いて行かれるのは悔しかった。練習後の夜も休日も、1人でバットを振り続けた。

 地道な努力が認められ、交流試合で初めて背番号をもらえた。「1番として絶対に打つ」。そう誓ったが、苦手な変化球に苦しめられた。チームは勝ったものの素直に喜べなかった。

 悔しさをバネに、直球を待つ状態で変化球に対応する練習を続けた。この夏、その成果が出た。地区大会からの6試合で計10安打。「あの悔しさがあったから成長できた」

 甲子園の切符を、今度は優勝という形でつかみ取った。西川選手は「ここで満足せず、強い気持ちを持って練習して、甲子園で必ず1本打ちたい」。力強く次を見据えていた。(佐野楓)

     ◇

 帯広農の3番、清水椋太選手(2年)が、6打数5安打3打点の猛打で優勝に貢献した。

 帯広農は北大会の3試合で初回に先制してきたが、この日の一、二回は抑えられていた。両チーム無得点で迎えた三回。1死二塁で打席に入った清水選手は「自分の後ろには力のある打者がいる。とにかく、つなごう」。インコースの直球を振り切ると、打球は左前への先制適時打に。その後も打ち続け、5打席連続安打を記録した。

 3番に入ったのは今春の大会前から。「帯農の3番はプレッシャーだった」。それでも「チームのために打つ」という強い気持ちを持つことで、プレッシャーを克服した。昨夏の甲子園交流試合ではスタンドで先輩たちの試合を観戦した。「今度は自分たちがあの舞台でプレーできる」。気持ちが高ぶってきた。(本田大次郎)

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