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7月25日の高校野球 熊本

2021年7月26日04時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権熊本大会は準決勝が25日にあり、熊本北と熊本工が勝ち上がった。熊本北の決勝進出は創部以来初めて。熊本工は2大会連続となる。決戦は27日。

     ◇

 八代のエース蔀(しとみ)秀彦(3年)は、リベンジに燃えていた。

 熊本工には昨秋の県大会3位決定戦で敗れ、今年6月の練習試合でも惨敗。「絶対に勝つ」と意気込む一方、冷静に考えていた。捕手の広田優人(3年)に「すごいバッターがいるから打たれると思う。でも動揺せずにいこう」と声をかけ、試合に入った。

 初回。スライダーとカーブ、直球で緩急をつけ、先頭打者と二番打者を中飛と内野ゴロに打ち取った。続く2人に安打を許したが、蔀は落ち着いていた。「タイミングを外せばいける」。次の打者には変化球を続けた後、外角ぎりぎりの直球で狙い通り内野ゴロにし、無失点で切り抜けた。

 小学1年で野球を始めた。尊敬していた中学校の数学科の担任が卒業生だったことから八代に進んだ。高1の秋から公式戦に出場し、独自大会が開催された2年の夏には背番号1を託された。初戦を2週間後に控えた7月4日、記録的豪雨に見舞われた。

 熊本県芦北町の自宅は腰ぐらいの高さまで水が押し寄せ、大量の土砂が流れ込んだ。その日から野球はできず、朝から晩まで土砂を家の外に出す作業をした。被災から2、3日経つと、状況を聞きつけた部員の親たち10人ほどがやってきて、泥まみれになりながら手伝ってくれた。その助けもあって初戦には出場できたが、投球に精彩を欠き、コールド負けした。

 被災後は、支えてくれた人たちなど「誰かのため」に野球をやるようになった。部員やその保護者への「恩返し」を胸に臨んだ今夏。準々決勝までの3試合を1人で投げきり、失点5でここまできた。

 初戦からの投球数が400近くになった二回、先頭から相手打線につかまった。「焦り」が出た。打者14人の猛攻。9点を奪われ、この回で降板した。ベンチに戻り、「まだいけるぞ」と声を出し続けた。だが、その後も差は開いた。

 リベンジはならなかった。試合後、落ち着いた様子で話した。「ここまでこられたのも、こうして野球ができているのも全て親たちのおかげだと思う。優勝で恩返しができず悔しい。これから感謝を伝えていきたい」(長妻昭明)

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