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7月25日の高校野球 岡山

2021年7月26日04時00分

 25日にマスカットスタジアムであった岡山大会決勝は、倉敷商が7―6でおかやま山陽にサヨナラ勝ちし、9年ぶり11回目の夏の甲子園出場を決めた。昨夏に県高野連が開いた独自大会に続き、2年連続の夏の頂点となる。甲子園大会は8月9日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

     ◇

 この回の投球が勝負だと踏んだ。

 同点の九回表。倉敷商の左腕・永野司君(3年)はそんな覚悟を持ってマウンドに上がった。

 2日前、創志学園との準決勝で延長11回、182球を投げたばかり。決勝も球数はすでに127球に達し、限界が近づいていた。

 「この回を抑えれば」。1球投げるたび、ロージンバッグを手に取り自分に言い聞かせた。2番打者から始まるおかやま山陽打線を、1人、もう1人と低めの変化球で三振に仕留めた。3人目を見逃しの三振にとると、雄たけびをあげた。沸き上がるベンチとスタンドに向かい「決めるぞ」。

 昨夏から背番号1を背負う。県独自大会の優勝や、仙台育英(宮城)との甲子園交流試合を経験し、自信はあった。だが新チームは勝てない。昨秋の県大会は準々決勝で、今春は決勝で敗れた。特に春は優勝の創志学園に12点の差をつけられた。「お前たちは弱い」と梶山和洋監督(34)に言われ返す言葉がなかった。

 「下級生の多いチームが頼りなく、『自分が引っ張らないといけない』と気負っていた」と永野君は振り返る。

 今大会準々決勝の関西戦。救援に入ったが、逆転を許した。1点リードされて九回。「もうダメか」と思ったときに2年生2人が追いついてくれた。「頼ることも大事なんだ」。そう思うと心が軽くなった。

 この日の九回裏も、2年生3人が連打と死球で無死満塁のチャンスを作ってくれた。もうサヨナラを信じて疑わなかった。

 「自分の投球こそ頼りない。もっと力をつけて仲間を信じて投げたい」。甲子園での飛躍を誓った。(中村建太)

     ◇

 おかやま山陽の右腕・大槙優斗君(3年)が異変に気付いたのは、2点を先行した一回裏だった。「力みが抜けない。直球のコントロールが定まらない」。目の前にある甲子園への意識か、気持ちが制御できなかった。

 これまで3試合で四死球2、無失点。それが2番打者を失策で出した後、連続四球で満塁のピンチを招いた。2死としたが次打者はストレートの四球で、まさかの押し出し。守備の乱れでさらに2点を失った。

 中学時代からバッテリーを組む捕手の浅沼晴登君(3年)とは、「相手が強ければ強いほど内角を突く」戦略を立てていた。過去、得意の変化球でかわそうとして狙われた苦い経験からだ。昨秋の県大会で、創志学園にサヨナラ負けした以降は走り込みを増やして、球速を大幅に上げた。

 ボールの見極めを徹底する倉敷商打線は手ごわかった。直球でも変化球でも、勝負球が打たれる。今大会初めてのそんな投球を続けるなか、次第に「抑えてやろう」という力みは抜けていった。九回裏、球速はなお140キロを超える。だが、倉敷商の先頭打者に左前安打を許した。安打、死球で無死満塁。

 絶体絶命のマウンドに野手が集まってきた。「逃げたら悔いが残る」。そう宣言し、倉敷商の3番打者に強気で内角を攻めた。きょう一番のボールだったと思う。だが左前にはじき返され、試合が終わった。

 「仲間と練習して力をつけ、決勝まで進めた」。負けはしたが、この試合でも成長できた。(小沢邦男)

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