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7月25日の高校野球 北海道

2021年7月26日04時00分

 北北海道大会は25日、旭川スタルヒン球場で決勝が行われた。35年ぶりの十勝地区対決となった最終決戦は、昨夏の甲子園交流試合に出場した帯広農が、接戦を勝ち上がってきた帯広大谷を22安打の猛攻で下して、39年ぶり2度目の優勝を決めた。26日は南北海道大会の準決勝2試合がある。

     ◇

 四回裏、帯広農の1番打者、西川健生選手(3年)は、深呼吸をして打席に立った。粘った6球目。低めの球を引っ張ると、打球は左翼線の適時二塁打に。「もう一度、甲子園に行って打つ」。だからこの試合は、負けるわけにはいかなかった。

 帯広農は昨春の選抜大会で21世紀枠に選ばれた。大会は新型コロナウイルスの影響で中止になったが、代わりに開かれた夏の甲子園交流試合に出場し、健大高崎(群馬)と対戦。2年生だった西川選手は、1番打者として甲子園の打席に立った。だが、試合に出た2年生4人のうち、ひとりだけヒットを打てなかった。

 野球は中学でやめ、高校ではバレーボール部に入っていた。だが、高1の8月、たまたま見た甲子園の中継で気持ちが揺れ動いた。「やっぱり野球はいいな」。新チーム結成時に野球部に入り直し、久しぶりにボールを握った。

 感覚を取り戻し、硬式に慣れる日々。練習は予想以上に厳しく、音を上げたくなった。でも、先輩や先に入部した同級生に置いて行かれるのは悔しかった。練習後の夜も休日も、1人でバットを振り続けた。

 地道な努力が認められ、交流試合で初めて背番号をもらえた。「1番として絶対に打つ」。そう誓ったが、苦手な変化球に苦しめられた。チームは勝ったものの素直に喜べなかった。

 悔しさをバネに、直球を待つ状態で変化球に対応する練習を続けた。この夏、その成果が出た。地区大会からの6試合で計10安打。「あの悔しさがあったから成長できた」

 甲子園の切符を、今度は優勝という形でつかみ取った。西川選手は「ここで満足せず、強い気持ちを持って練習して、甲子園で必ず1本打ちたい」。力強く次を見据えていた。(佐野楓)

     ◇

 帯広大谷のベンチがひときわ盛り上がったのは、九回表の攻撃だった。1死二、三塁で斉藤善主将(3年)が打席に入ると、大友裕太郎選手(同)らが「(塁に)出ようぜ、出ようぜ」と声を張り上げた。

 逆境をバネに勝ち上がってきたチームだ。春の地区大会は学校関係者に新型コロナウイルスの陽性者が出たため、途中で出場を辞退。高橋凌久(りく)選手(同)は「白樺学園との対戦を楽しみにしていたので、落ち込んだ」と振り返る。

 今大会の地区代表決定戦では、九回2死から帯広工に追いつき、延長戦でサヨナラ勝ち。北大会初戦では旭川実と延長タイブレークの熱戦を演じ、準決勝は旭川大との打撃戦を制した。

 だが、準決勝で外野の守備についていたエースの高橋選手が足を負傷。体を痛めている選手はほかにもいて、斉藤主将は「みな体力的にも、精神的にも追い込まれていた」という。

 たどりついた決勝戦。仲間の激励を背中で受けた斉藤主将は、ファウルで粘り、四球で出塁。ここでも逆境での強さを見せた。最後は併殺で力尽きたが、それでも「優勝という記録は作れなかったけど、記憶に残るチームになれたならうれしい」と、試合後はそっと涙を拭った。(井上潜)

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