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7月24日の高校野球 静岡

2021年7月25日04時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権静岡大会(静岡県高校野球連盟、朝日新聞社主催)は24日、草薙など2球場で準々決勝4試合があった。

 昨秋と今春の県大会を制した藤枝明誠は磐田東に逆転負け。東海大静岡翔洋は10年ぶりの8強入りを果たした桐陽に競り勝った。準決勝は26日、草薙球場で2試合が予定されている。

     ◇

 3点差を付けられた九回表2死、打席に藤枝明誠の4番・川瀬譲二主将が立った。凡退すれば試合が終わる場面、2ストライク1ボールと追い込まれた所で打席を外し、バットを頭に当てて深く深呼吸した。

 浮かんだのは共に戦ってきた仲間の顔。「あいつらの夏を俺が終わらせられない」と奮い立った。フルカウントからはじき返した打球は右翼手の前で弾んだ。

 昨年夏、新型コロナウイルスの影響で選手権大会は中止に。「必ず甲子園にいくだろう」と思っていた先輩たちは、目指す舞台に挑戦すらできないまま、夏を終えた。

 「お前たちは絶対に甲子園に行ってくれ」。夢を託され主将になったが、当初はうまくいかなかった。

 一つ上の先輩たちは理想のチームであり、あこがれでもあった。今までは先輩たちの言うとおりに練習すればよかったが、居なくなった途端、何をすればいいのかわからなくなった。そのまま秋の地区大会に突入。県大会出場こそつかんだものの地区大会では8強に終わった。

 自分は主将としてふさわしいのか、悩みつづけていたある日、ウォーミングアップを終えた後、グラウンドに戻れなくなった。路地裏を歩きながら考え続けていると、自分を探していた村松杏都・前主将に声を掛けられた。

 突然いなくなった主将を心配して2年生と3年生が探してくれていた。そのとき、改めて気づいた。「自分には仲間がいる」。悩みは吹っ切れた。「チームを勝ちに導けるような主将になる」

 秋春の県王者として迎えた夏は8強で幕を閉じた。敗退が決まった後も、号泣する仲間を慰め、「最後までしっかりやろう」と声を掛け続けた。

 「もっとこのチームで野球をしたかった」。試合後、涙はなかった。

 「僕たちが達成できなかった甲子園の夢は後輩たちに託します」(山崎琢也)

     ◇

 「俺のせいで、ごめん…」。仲間たちがグラウンドから引き上げる中、藤枝明誠のエース・小林輝投手は、その場で泣き崩れた。

 「調子は悪くなかった」が、逆らわず反対方向に打ち返す磐田東打線に対応出来ず、失点を重ねた。

 入部当時は外野手だった。1年の夏、練習試合で右肩を脱臼、打撃練習ができなかった時に「投手をやってみろ」と転向を促された。最初はストライクも入らず外野手に未練があったが、「どうせやるならエースになりたい」との思いで練習を重ねた。

 同級生から教わったスライダーを武器に昨秋の大会からエースとしてチームを引っ張った。「県内で一番良い投手にはなれないかもしれないが、一番チームを勝たせる投手になりたい」、そんな思いだった。

 試合中盤、指にマメができた。誰にも伝えず、8回160球を1人で投げ抜いた。光岡孝監督も「本当によく頑張った」とねぎらう。

 それでも悔いが残る。「チームを勝たせることができなかった。もっと続けたかったのに」。涙をこらえ、声を絞り出すように答えた。(山崎琢也)

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