7月24日の高校野球 三重
三重大会は24日、四日市市営霞ケ浦球場で準決勝2試合があった。津田学園は宇治山田商に競り勝ち、三重は津商を無得点に抑え、それぞれ決勝の舞台へ進んだ。決勝は26日午前10時から同じ球場で。2年ぶりの夏の甲子園出場校がついに決まる。
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七回表2死一、三塁、三塁走者だった宇治山田商の三浦航司君(3年)は、3番の谷口蒼馬君(3年)が放った左前適時打で同点となる本塁を踏み、思わず笑みがこぼれた。
「まだ追いついただけ。一喜一憂しない」。すぐに気持ちを抑えた。
チームは今年、創部100周年を迎える。その節目の年に主将を任された。春の県大会は左股関節のけがのため、メンバーからは外れた。プレーに参加できない悔しさもあったが、スタンドからチームを見たことで気づくことがあった。
相手チームのベンチと比べて明らかに声が小さい。エラーしたときもフォローの声がなく、すぐ流れをもっていかれてしまう――。自分が試合に出ていないことよりも焦りを感じた。
「仲間のミスや自分の結果に満足できないときに態度に出すのはやめよう」。春の県大会後からはしつこく仲間たちに言い続け、少しずつ自分の結果よりも、チームのためにつなごうとするバッティングができる選手が増えてきた。
そして迎えた今大会、守備からリズムをつくり、つなぐ野球で4強入り。3回戦では、昨秋の県大会で敗れた海星にリベンジを果たすことができた。
準決勝は捕手としてスタメン出場。投手陣には「点を取られても必ずチャンスはくるよ」と落ち着かせたり、「勝負どころやで」と発破をかけたりしながら、巧みにリードした。
「甲子園に行けないとどこで負けても同じ。いい結果だとは思っていない」。試合後、厳しいことを口にした後でつぶやいた。「甲子園は遠かったな」(岡田真実)