7月22日の高校野球 島根
2021年7月23日04時00分 朝日新聞デジタル
第103回全国高校野球選手権島根大会は22日、出雲市と松江市の2球場で3回戦計4試合があった。三刀屋が計4本塁打の一発攻勢で松江商を下し、ベスト8が出そろった。23日の休養日を挟み、24日は2球場で準々決勝4試合がある。
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八回表。ここまで2戦登板がなかった大東の背番号1が、ついにマウンドにあがった。主将の森山大朗君(3年)だ。
6点を追う苦しい展開だったが、マウンドに立つと笑みがこぼれた。夏の大会を前に腰を故障し、試合でまともに投げるのは2カ月ぶりだった。
「やっぱり楽しい」
持ち味のキレのある直球は健在。低めのスライダーもさえた。1球ごとに気合の声を上げる。三振や飛球で、八、九回を三者凡退に抑えた。
大東は、森山君のあこがれだった。小学校に上がる前、球場で夏の試合を観戦。「自分もあの舞台で試合がしたい」と、小学1年から野球を始めると、高校受験では大東以外、学校説明も聞かなかった。
昨夏の独自大会も投げ、今年はエースで中軸、そして主将としてチームの大黒柱になっていた。
試合後、涙が止まらず地面に崩れて泣いた。曽田陽一監督が「よう投げたぞ」と声をかけた。
「逆転を信じて精いっぱい投げようと思った。悔しい。でも大東に来てよかった。3年生10人、支えてもらっていい仲間だった」(榊原織和)