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7月21日の高校野球 兵庫

2021年7月22日04時00分

 第103回全国高校野球選手権兵庫大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の第14日が21日あり、4球場で4回戦8試合が行われ、16強が出そろった。淡路三原が、昨秋の県大会3位の長田に3―2で逆転勝ち。今春の選抜に21世紀枠で出場した東播磨は相生に5―3で勝利。春の県大会を制した神港学園、3年ぶりの全国選手権を目指す報徳学園なども5回戦に進んだ。

 22日から5回戦が始まり、4球場で4試合が予定されている。組み合わせは、兵庫工―姫路南、明石商―神戸国際大付、東洋大姫路―舞子、関西学院―須磨学園。23日は市尼崎―報徳学園、東播磨―神港学園、滝川二―淡路三原、社―市川が対戦し、8強が出そろう。

     ◇

 4点を追う九回表、2死から四球で歩いた。歓声が湧いた。三塁側スタンドもまだあきらめてない。「頼むからつないでくれ」。神戸第一の主将、栄喜太河(たいが)君(3年)は一塁上から願った。

 最後は投ゴロ。2年ぶりに甲子園へつながる夏は終わった。ただ、挑戦できたことは価値があった。

 コロナ禍で、昨夏は独自大会に。「甲子園がないと決まったとき、なんて声をかければいいのかわからないほど先輩たちの表情が暗くて……」。チームは4連勝。前年王者の明石商も下しただけに、無念さが募った。

 コロナ禍は続く。大会が中止になれば、やってきたことが無駄になってしまう――。「もやもやするような、漠然とした不安」が、ずっとつきまとい、野球に集中できなかった。

 口には出さなかったのに、母の麻美さん(46)は気づいていた。「ちょっといらいらしてて、不安なのかなって」

 だから、母は、新チームで主将になった息子の弁当に細工した。「頑張れ」と書いた細長いふせん。毎日貼り付けることにした。

 栄喜君は、弁当を食べるたびに勇気づけられた。「みんなも不安。キャプテンの自分がシュンとなっててもダメだ」。ふせんは今春まで続いた。その頃にはすっかり前向きだった。

 今大会は、まず2連勝。どちらの試合でも、スタンドで見守る麻美さんの前で三塁打を放ってみせた。この日は相手投手の変化球のキレに苦しめられ、5打席ノーヒット。照れくさいからプレーで母に「ありがとう」と伝えたかっただけに、心残りではある。

 でも、気持ちはぶつけられた。「大会があってよかった。このためにやってきたんだなって」

 麻美さんも、進学して野球を続ける予定の息子に言葉を贈った。「次のステージでも気持ちをぶつけて欲しい。『頑張れ』」(西田有里)

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