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監督や部長が審判に 広い北海道、なり手不足解消の秘策

2021年7月22日13時38分

 北海道の高校野球では各校の野球部で監督や部長を務める教員たちが審判を担う、全国でも珍しい仕組みがある。広い北海道ならではで、半世紀近くにわたって続く方法だ。審判のなり手が不足するなかで他県も関心を寄せているという。

 7月16日、南北海道大会の開幕を翌日に控え、札幌円山球場で審判講習会が開かれた。試合のない野球部員らが塁間を走り、審判たちがセーフ、アウトなどの判定を繰り返した。南大会は計15試合で、札幌、函館、小樽、室蘭地区の計32人の審判団が担当する。2人のOBを除き、他は野球部の監督や部長など現役の教員だ。

 高校野球の審判は、社会人や大学野球から派遣してもらうのが一般的だ。北海道もかつては派遣を受けていたが、広い道内では遠い場所だと日帰りでの派遣が難しく、教員を審判に育てることに踏み切ったという。道高野連に1970年に審判部が発足し、札幌商(現・北海学園札幌)監督だった中島憲二さん(故人)らが中心となって教員中心の運用を始め、現在に至っている。

 2015年の選抜大会で準優勝に導き、今年も南北海道大会に進出した東海大札幌の大脇英徳監督(46)は、今夏の地区大会で球審をした。自校の試合のない日に、自校とは別のブロックの試合を担当。審判をする日は、チームの練習はコーチに任せないといけないが、「監督と審判の二足のわらじを履く使命感を持ってやっている」と話す。

 大脇さんは審判幹事として担当試合の割り振りも決める。審判をする学校が自身の学校と対戦する可能性はないか、出身校ではないかなどを考慮するという。

 1993年夏、大脇さんが主将、捕手として甲子園出場を決めた試合の球審が中島さんだった。「気合を入れていけよ」と、背後から励ましの声を受けた。教員になるため北海道に戻ったとき、中島さんから「自分のチームだけでなく、北海道の高校野球のために力を注いで」と説かれた。今では自分も球審に立つと、捕手にさりげなく声をかけている。

 教員中心の編成は沖縄県も取り入れている。県高野連によると、参加チーム数の増加から、ボランティア頼みだった審判の確保が難しくなり、83年から始めたという。

 監督や部長が審判を担うことについて、道高野連の今野満・常務理事は「ルールを学べるメリットがあり、マナー、所作も含めて自チームに還元される」と話す。勝利至上に偏ることなく、教育の一環として日頃の指導に生かされることが利点という。北海道では年に3回の講習会を設け、若い教員の育成にも力を入れる。札幌だけで約140人の登録(OBを含む)があり、人材は豊富だ。

 他県にはライバルチームの監督や部長が審判を務めることに、懐疑的な意見もある。だが、審判の高齢化や人材難もあり、今後、外部だけに頼ることは難しいのも事実だ。東北地方では、北海道の取り組みに関心を寄せる県も出ているという。道高野連の横山泰之・専務理事は「審判の人手不足、高齢化は日本社会の縮図でもある。先人が築いた北海道独自の取り組みをしっかり守っていきたい」と話す。(能田英二)

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