選抜出場校に延長十二回まで粘り「でも勝ちたかった」
2021年7月21日15時52分 朝日新聞デジタル
(20日、高校野球宮崎大会 小林秀峰3-4宮崎商)
直球にもスライダーにも食らいつく。出塁すれば果敢に次の塁を狙う。大飛球を背走してフェンス際で好捕する。小林秀峰は、選抜に出場した第1シード宮崎商を最後まで苦しめた。
五回に同点に追いつかれ、何度もピンチを迎えた。そのたびに主将の山口凌雅君(3年)は右翼からナインの動きを見ながら、「練習通りにやればきっと勝てる」と念じていた。
6月以降、走り込みと守備練習を徹底してきた。チーム全員、体力では負けない自信があった。引き分け再試合となった都城農戦の疲れもなかったという。
三塁手の本田楼晏君(3年)はファウルボールをフェンス間際でつかみ取った。中堅の久徳啓太君(2年)は好返球で一度は宮崎商のサヨナラを阻んだ。
延長十二回に力尽きた。山口君は試合後、「みんな粘り強く、最後までがんばってくれた。でも勝ちたかった」と唇をかんだ。
岩切隆公監督は「選手たちに100点をあげたい」。宮崎商の橋口光朗監督も「すごい粘りだった。見習いたい」とたたえた。うなだれる選手たちに、コーチ陣から檄(げき)が飛んだ。「選抜出場チームにここまで戦えたんだ。下を向くな!」(佐藤修史)