自称「秘密兵器」、相手にばれぬよう初登板 魔球で好投
2021年7月20日12時10分 朝日新聞デジタル
(19日、高校野球兵庫大会 須磨学園4-1神港橘)
神港橘の自称「秘密兵器」。だから試合前は「相手にばれないようベンチの後ろの方に立っていた」。
先発した背番号「11」の中島大和投手(3年)は、ナックルボールの使い手。回転がかからないように押し出す感じで投げる変化球で、揺れて不規則な軌道で落ちるのが特徴だ。須磨学園との対戦が決まり、「普通なら勝てない相手。行くならここしかない」と安田涼監督が、今大会で初めてマウンドに送り出した。
三回途中で交代するまで、やや変則的なフォームからナックルやカーブを織り交ぜて36球。被安打2。相手打線がとらえ始めたため交代となったが、安田監督は「願ってもみない展開」と先発投手の役割は果たしたようだ。
その後、両チーム1点ずつ取り合う接戦となったが、神港橘は九回表で3点を失い、力尽きた。
中島君は敗戦を悔しがったが、良いピッチングができたと感じている。登板機会をくれたチームに「恩返しできた」と語った。(大下美倫)