7月19日の高校野球 山口
2021年7月20日04時00分 朝日新聞デジタル
山口大会は19日、2回戦8試合があった。山口は宇部西に逆転サヨナラ勝ち。第1シードの岩国商と高川学園はともにコールド勝ちした。21日に2回戦4試合と、3回戦4試合がある。
◇
下関商の遊撃手、村野琢弥君(3年)が躍動し、何度も好プレーでチームを救った。
一回表1死一塁。三遊間に転がった強い打球に飛び込んで捕球、素早く一塁に送ってアウトにした。八回1死満塁のピンチでは、ゴロを捕球した二塁手の送球がそれたが、跳び上がって捕球。体をひねって一塁走者にタッチした。
「勝ちたいという気持ちだけで体が勝手に動いた。あぁ野球してるなって感じた」
野球を始めたのは小学2年。「地元で甲子園に出たい」という思いで下関商に入った。1年夏から寮生活を送る。遊撃手になったのは高校から。自宅とは違い、常にチームメートの目がある生活で自覚が芽生えた。
早朝6時から朝食までの30分、洗濯後の午後10時からの30分。暇があればバットを振った。下半身を意識し、大股でのスイングを繰り返した。
その成果が出た。一回裏2死、狙っていた直球を振り抜き、右翼線へ抜ける二塁打に。初戦の山口農西市戦でも先制の適時二塁打を放った。
仲間と素振りをした時間は、自信につながっただけでなく、絆も深めてくれた。「いままで一緒に頑張ってきた最高の仲間と野球ができて幸せでした」(寺島笑花)