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7月18日の高校野球 熊本

2021年7月19日04時00分 朝日新聞デジタル

 「やっぱり野球は九回ツーアウトからが本番」。最終回まで同点の好試合に敗れ、球場を去る玉名のエースが涙をこらえた。昨夏の独自大会で熊本市内優勝の文徳はシード校の九州学院を1点差で破った。甲子園をかけた戦いがいよいよ熱を帯びる。18日、2回戦最後の4試合が行われ、16強が決まった。

     ◇

 両チーム無得点の四回表。九州学院は相手の二塁打と送りバントで2死三塁のピンチを迎えた。後続の打者を2ストライクと追い込んだ後、フォークボールがワンバウンドとなり、文徳に先制を許した。

 記録は投手の暴投。しかし捕手の平井宏幸(3年)は「あそこで取れずして何がキャッチャーだ」と自分を責めた。「次」。ベンチに戻ると、父親で監督の誠也さん(49)が一言、冷静に言った。

 父親はもともと15年以上、九州学院野球部の部長を務めていた。平井は小学生のときからグラウンドに連れて来てもらっており、部員にもかわいがられていた。父親と家でゆっくり話す機会は少なかったが、いつしか「お父さんのチームに入って2人で甲子園に行きたい」と思うようになり、迷わず同校に進んだ。

 昨年の秋、父親は部長から監督となり、平井自身も部全体の話し合いで新チームの主将に選ばれた。それから約1年、親子とはいえ「野球のことになれば監督と主将の関係」(平井)を貫いてきた。この日も家を出る前、文徳の打者の特徴などを2人で分析した。

 ロースコアの展開を予想して臨んだ試合。その予想通り、九州学院は文徳に追加点を与えず、一方で攻撃では文徳を上回る7安打を放ったものの、相手投手に要所を締められた。平井も三回2死一、二塁の好機に凡退。「自分が打たなければと、力んでしまった」と平井。八回には1死から右翼へ二塁打を放ち、反撃ムードを盛り上げたが、最後まで1点が遠かった。

 試合後、監督は息子のプレーを「最大限のことをやってくれた」と評価。ミーティングでは「負けをこれからの人生にいかせ」と部員全員に語りかけた。

 グラウンドの外では関係者らが拍手で選手を迎え、平井は涙を流して仲間たちと抱き合った。「お父さんとこのチームで甲子園に行きたかった。野球を教えてくれてありがとうと言いたい」。平井は気を引き締め、前を向いた。今後は父親のように野球に携わる仕事を目指すつもりだ。(屋代良樹)

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