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7月15日の高校野球 岩手

2021年7月16日04時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権岩手大会は8日目の15日、県営、花巻、森山の3球場で2回戦計8試合があった。シード校の花巻東と盛岡大付が登場し、いずれもコールドで勝利した。延長十回の熱戦は、黒沢尻北が盛岡市立を3―2で押し切った。16日は3球場で2回戦計8試合があり、春季県大会3位の久慈が初戦を迎え、全61チームが出そろう。

     ◇

 「インコースには手を出すなよ」

 四回表2死二塁で打席に立った盛岡工の熊谷大翔(ひろと)主将(3年)は、監督から言われた言葉を、頭の中で繰り返していた。

 ツーストライクを取られたあと、よく来ていた変化球に狙いを絞った。

 そこにスライダーが来た。でも内側だ。

 「いつも助けてもらっているから、今日は自分がみんなを助けたい」

 バットとともに迷いを振り切った。公式戦初の本塁打で2点をもぎとり、同点に追いついた。

 主将になったのは昨夏の独自大会後。前主将からの指名だった。

 「俺、キャプテンなんだ……。どうしよう」。予想外の事態に動揺した。

 準備や片付けが遅い。返事が鈍い。思うところはたくさんある。でも、指摘したら嫌われそうで、強く言えない。

 前主将に相談した。

 「キャプテンらしくなくていい。友だちと話す感じでいいんだよ」。答えに思わずひざを打った。

 チームを「まとめる」のではなく、「まとまる」ようにすればいいんだ――。

 叱るのではなく諭すように、直してほしいところを1人ずつ丁寧に伝えた。

 昨秋は3年ぶりに県大会に出場。徐々にチームがまとまっていくのを感じた。

 主将の大仕事の一つは、組み合わせ抽選会のくじ引きだ。引いたのは60番。初戦を突破すれば、春季県大会準優勝の盛岡大付と当たる場所だった。くらっとしたが、「やるしかない」と仲間を鼓舞した。

 この日は本塁打を放った直後の四回裏、捕手からセンターの守備に回り、バッテリーを励まし続けた。だがこの回に5点を奪われ、試合を決められた。

 「最近、主将が板についてきたな」。そう感じていたところで、夏が終わってしまった。

 「苦しい練習も笑い合ってできたのはみんなのおかげ。このチームの主将になれてよかった」。うつむいて涙を流す仲間の中で1人、前を見つめていた。(西晃奈)

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