守備乱れた試合、コロナ禍でも基本の徹底を 高嶋仁の目
2021年7月15日15時20分 朝日新聞デジタル
(14日、高校野球和歌山大会 和歌山北14-9貴志川)
和歌山北と貴志川の試合は、得点だけをみると打ち合いのような14―9で和歌山北が勝ちましたが、両校合わせて16失策、23四死球の荒れた試合になりました。
両校ともに、新型コロナウイルスの影響で練習や練習試合が十分にできなかったことがでていたように思います。足を運んでボールを正面で捕球したり、相手の正面に投げたりする基本がしっかり身についていないように感じました。
和歌山北の三回表の攻撃で、三塁手を強襲しファウルゾーンにころがった打球を左翼手と三塁手が追いかけたとき、三塁ベースに誰もおらず、打者走者は三塁まで進みました。投手が三塁をカバーするべき場面でした。年に1、2回あるかないかのプレーでも、それを想定して練習する必要があります。
守りがしっかりしているチームは試合前のノックやボール回しでも、基本に忠実です。逆に甲子園でも、できていないチームは弱点が分かります。第93回全国選手権の2回戦で智弁和歌山は白樺学園(北北海道)と対戦しましたが、試合前に白樺学園のノックを見ていて三塁手の送球が不安定だと感じました。それで、十回のサヨナラのチャンスに三塁手前へのバントを指示し、三塁手が悪送球し、勝利しました。
時間はかかりますが、指導者は普段から基本的なことをしっかり指導していくことが重要です。
(智弁和歌山・前監督)