7月14日の高校野球 兵庫
2021年7月15日04時00分 朝日新聞デジタル
第103回全国高校野球選手権兵庫大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の第8日は14日、8球場で2回戦15試合が予定されていたが、雨のため4試合が中止になり11試合があった。今春の選抜に21世紀枠で出場した東播磨は県伊丹に7―3で勝ち、初戦を突破した。第2シード校の兵庫県大付は琴丘に7―9で敗れた。15日は6球場で2回戦12試合が予定されている。
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「ベレーザ!」
五回裏、2死満塁のピンチ。御影の右腕、山下陣平投手(3年)が打者を左飛に打ち取ると、味方ベンチの選手たちは親指を立て、一斉に叫んだ。
ポルトガル語で「いいね!」の意味だ。この日は、山下君が三振を奪うたびに、同じかけ声が球場に響いた。
ちなみに、味方がヒットを打ったときは「オブリガード」(ありがとう)。円陣を組んだときは「ボンジーア」(良い一日にしよう)と声をかけ合う。
今泉友秀監督は、ブラジルで小中学生に野球を指導した経験がある。「ブラジルの人は切り替えが早い。試合中のミスを引きずらずに、明るい雰囲気でプレーしよう」と考え、ブラジルの公用語・ポルトガル語のかけ声を採り入れた。
山下君は、実力校の東洋大姫路を相手に、八回まで投げ抜いた。六回に勝ち越し点を奪われたが、コーナーを突くスプリットなどの変化球で要所を締め、堂々たる投球をみせた。
「相手の裏を突くピッチングができた。今日はたくさんの『ベレーザ』をもらいました」。試合後はやりきった爽やかな笑顔だった。(井岡諒)