7月11、12日の高校野球 千葉
第103回全国高校野球選手権千葉大会(県高野連、朝日新聞社主催)は11日に2回戦21試合、12日に2回戦19試合があった。11日予定の3試合は雨でノーゲームになり、12日に順延された。11日はシード校が登場し、Aシードはいずれもコールド発進。Cシードの幕張総合が破れた。12日は9試合がコールドゲーム。Cシードの流通経大柏が敗退した。13日は6球場で3回戦16試合が実施される予定。
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六回表、リードされた場面で、あずさ第一の桜井竜馬選手(2年)は、三塁からマウンドに上がった。先発の高野倫投手(3年)から突然の継投だった。
キャッチャーミットを構えるのは、いとこの桜井太陽捕手(3年)。だが、「絶対に自分がアウトをとろう」という気負いが先行してしまう。制球が定まらず、続けて四球を出してしまった。その後、失点を重ねた。
マウンド上でぼうぜんとしている竜馬選手に、太陽捕手は「一人じゃないよ、最後までがんばって」と声をかけ続けた。「ピッチャーは一人孤立する。寄り添って声をかけ続けたいと思った」
2人は、太陽捕手が小学1年だった同じ時期に野球を始めた。それから高校までずっと同じチーム。投手としての間の取り方を教えてくれたのも太陽捕手。一つ上のいとこはいつも「頼もしい存在」だった。
試合後、太陽捕手は涙をぐっとこらえ、「悔しい思いをした分、これからの試合にぶつけてほしい」と力強くいった。
「3年生に謝りたい。自分が試合を壊してしまった」と大粒の涙を流していた竜馬選手は顔を上げて、「(太陽捕手は)最後までチームを引っ張ってくれた。自分もそうなれるようにこれからがんばりたい」。いとこバッテリーの最後の夏はほろ苦かった。でも、この経験は竜馬選手の成長にきっとつながるはずだ。=県総合(竹中美貴)