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白血病を克服した元球児 部長として初の夏、母校と対戦

2021年7月11日19時34分 朝日新聞デジタル

 本塁前に整列して校歌を聞く教え子たち。その向こうに、涙を流す「後輩たち」の姿が映った。

 兵庫大会2回戦の兵庫工―姫路工戦。試合後、9―3で勝利した兵庫工の伊勢田修平部長(26)は一塁ベンチ前で感慨深げに、その様子を見つめた。「いろんな思いがこみ上げてきました」

 伊勢田さんは高校時代、姫路工で白球を追っていた。2011年、1年秋は遊撃手で6番打者。2年夏の兵庫大会はベンチ入りできなかったが、大会後に再びレギュラーをつかんだ。だが、夏休み中にすぐに疲れたり、頭が痛くなったりすることがあった。「念のために」と病院に行くと、急性骨髄性白血病と診断された。

 入院し、抗がん剤治療を始めた。翌年の5月に退院すると、出席日数不足で2年生として再出発。懸命なリハビリを乗り越えて、夏の兵庫大会前に背番号15を手にした。しかし、大会直前に体調が悪化し、再び約10日間、入院した。

 チームは2回戦で敗退。一緒に入学した3年生は引退したが、「どんな形でもいいから貢献したい」と、翌年も19歳の3年生コーチとしてチームを支えた。

 卒業後は近大工学部で野球を続けながら、教員免許を取得した。「またグラウンドに立ちたい」との思いから指導者をめざした。

 19年春に工業科の教員として兵庫工へ赴任、20年秋から野球部の責任教師に就いた。

 選手たちには「高校生活は限られた時間。しっかり覚悟を決めて取り組んでほしい」。自身の経験も伝えながら、指導している。選手からも慕われ、主将の広瀬大空(そら)(3年)は「お兄さんのような存在。ノックも一緒に受けてくれるし、恋愛話とかもしてくれます」。

 今夏、4日の1回戦で出石に勝つと、この日の母校との対戦が待っていた。試合前は外野ノックを打ち、大きな声で選手たちを鼓舞した。はつらつとプレーする両チームの選手の姿に、「すばらしい試合だった。高校のころを思い出しました」。

 選手時代、最後の夏はグラウンドに立てなかった。部長として迎えた最初の夏。「やっぱり甲子園に行きたいですね」。青春は終わらない。(山口裕起)

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