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7月9日の高校野球 茨城

2021年7月10日04時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権茨城大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)が9日、ノーブルホームスタジアム水戸など5球場で開幕した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年は中止になったため、2年ぶりの甲子園切符をかけて90チームが争う。9日は5球場で1回戦10試合が行われ、土浦一、下妻一、茨城などが勝ち上がった。

     ◇

 「岩井高校を終わらせるなよ!」

 16点差をつけられた五回表、来春で閉校する岩井の落合凜大(りんた)君(3年)が打席に立つと、味方ベンチから厳しい声援が飛んだ。

 中林孝佑監督のよく通る声だった。

 落合君は少し緊張していたが、とにかく振っていった。2球目を打つと投手の前に転がり、あっけなく打ち取られた。苦笑いでベンチに戻った。

 小学3年から野球をはじめた。だが、高校では遊びやアルバイトをして、自由な生活を思い描いていた。

 同級生の小川玲旺(れお)君(3年)は繰り返し、野球部に誘ってきた。「卒業するとき、やりきったぞと残ることをしよう」。高校野球は今しかできない。そう思い直し、上級生が3人しかいない部に入った。

 1年生の途中で、岩井高校がなくなると聞いた。「最後の野球部員みたいな経験、奇跡かも」と思った。

 小川君は厳しかった。練習にやる気がないと「気持ち切り替えてやれ」。少人数での練習も厳しく、1年生の終わりに、小川君にやめたいと言うと「逃げると、後悔するぞ」。踏みとどまった。

 岩井野球部最後の試合となったこの日、一、二回は小川君と二遊間を守った。中林監督と必死に練習した併殺の機会はなく、打球は一度も飛んでこなかった。

 試合後、小川君は「お疲れ」とだけ言った。まだ整理できない気持ちも一緒だと思う。高校野球も、岩井野球部も、終わった実感はない。だけど、最後の打席に立った経験は一生忘れられない気がしている。(藤田大道)

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