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諦めなければできる 生まれつきの持病に負けないエース

2021年7月18日09時00分 朝日新聞デジタル

 【山口】なんで自分だけ、と思うこともあった。宇部西のエース、尾藤祥太君(3年)は生まれつき血を固める成分が足りない「血友病」を抱えている。「でもいまは、病気も含めて自分自身。諦めなければできることが分かって良かった」。19日に初戦を迎える。

 止血に必要な「凝固因子」が少なく、軽い打撲でも内出血が止まらなくなる。生まれたときから週に一度、凝固因子を補うための注射を打っている。

 6月中旬の練習試合、打席の尾藤君はベースから離れて立っていた。死球やピッチャー返し、プレーでは攻守にわたって常に危険が伴う。

 野球を始めたのは小学2年の時。2人の兄の影響だった。五つ年上の長兄も同じ病気を抱えながら野球を続けたが、中学まででやめた。

 尾藤君は宇部西に入学後、すぐに野球部のグラウンドに足を運んだが、入部を決断できずにいた。病気のことを説明すると、白石竜也監督から「絶対面倒みるから」と言われ、挑戦しようと決めた。「ライナーは無理して捕らない」「走塁時、挟殺プレーになったら(野手のタッチを避けて)ラインアウトする」。白石監督と話し合って決めた。

 悔しい思いもした。1年の練習試合、初めて代打として立った打席で死球を受けた。1カ月間、練習ができなかった。昨年9月にはベースカバーのためにマウンドから一塁に走ったのが原因で、右ももが内出血。痛みでしばらく動かせず、練習を外れた。この2年半、野球ができない期間が何度もあった。「それが何より悔しかった」

 「何で何もしてないのに痛くなるん」。普段はあまり感情を表に出さない尾藤君が、ぶつけようのない思いを口にすることもあったと、母親の麻美さん(44)は話す。それでも諦めず、自分にとっては当たり前のことと受け入れてきた。練習前には入念に準備運動を行い、風呂上がりのストレッチも始めた。足を動かせない時期は、上半身のトレーニングを続けてきた。

 少しでも体に球が当たれば、すぐに誰かが声を掛ける。チームみんなが気にかけてくれるのを感じている。マウンドでは1人だが、「みんなで声をかけ合いながら試合をつくっていけるのが楽しい」と尾藤君は話す。

 「自分のプレーで病気があっても野球ができると伝えたい」。活躍する姿を、兄に見せたいと思っている。(寺島笑花)

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