スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

7月8日の高校野球 山形

2021年7月9日04時00分

 第103回全国高校野球選手権山形大会が8日、開幕した。県内の五つの球場で、2年ぶりに夏の甲子園を目指す熱戦が、24日の決勝まで繰り広げられる。4球場で8試合が行われた初日には、公立校の強豪山形工が敗退するなど、今後の展開は予測がつかない。

     ◇

 例年なら1球場に集まって開かれる開会式や始球式。今回は新型コロナ感染防止のため、試合のある4球場に分かれて開始式が行われた。

 山形県中山町の県野球場では午前9時すぎ、第1試合で対戦する山形中央と寒河江の選手が整列。山形北音楽科3年の田口優実さんが「君が代」を、同じく長岡朋希さんが「栄冠は君に輝く」を独唱して、国旗や高野連旗が掲揚された。

 観衆が見守る中、大会会長の高橋良治・県高野連会長は「2年ぶりに熱い大会が帰ってきました。高校野球には見ている人に勇気を与える不思議な力があります」などとあいさつ。

 選手宣誓も、4球場でそれぞれ行われた。新庄市の新庄市民球場では、山形学院3年の板坂竜晃主将が「野球ができる幸せをここに感じ、感謝の気持ちをプレーに込めて皆で熱い大会にすることをここに誓います」と力強く述べた。(辻岡大助、福岡龍一郎)

     ◇

 試合に敗れ、相手の校歌を聞いていたら涙がにじんだ。スタンドに、応援に来てくれた両親や学校の同級生の姿を見たら、止まらなくなった。村山産の増川創太主将(3年)は、整列後に泣き崩れ、仲間に抱きかかえられるようにベンチに戻った。「悔しい。もっと野球がしたかった……」

 村山産で野球をすることは、中1のころからの夢だった。山形県河北町にある実家は米やサクランボをつくる専業農家。長男の増川君は「俺が家を継がないと」と思っていた。農業科で学び、放課後は小4から続けてきた野球に打ち込む。それが憧れだった。

 入った野球部の練習は、ほぼ毎日。帰りは午後8時ごろになる。夜遅くに家に帰っても、父の弘樹さん(44)はまだ農作業をしている時があった。それを見ると心が揺れた。「俺が手伝わないといけないのに」

 それでも両親は応援してくれた。忙しい日も、練習試合があれば送迎してくれた。練習後にほおばる、母・美穂さん(44)がつくる新米のおにぎりや果物はとびきりのおいしさ。「良いプレーを見せるのが恩返しになる」。そう考えることにして、筋トレ代わりに重さ30キロの米袋を運んだ。

 先輩たちは昨夏の独自大会でベスト16。それを超えたかった。強打者こそいないが、全員でつなぐ打撃がチームの持ち味だった。振り返れば大会初日第1試合の緊張か、思うように身体が動かず、チームは2安打に抑えられた。「自分たちの野球がしたかった」

 将来は農業大学に進み、実家で就農するつもりだ。今秋から、稲刈りを手伝おうと思っている。増川君の「短い夏」が終わった。

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ