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楽しもう 初心者の挑戦 新南陽 山口大会

2021年7月9日09時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権山口大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)が16日、開幕する。2年ぶりの夏の甲子園に向け、54チームが挑む。

 「いまの捕れたぞー」「次、俺の方に打てよー」。日が照りつけるグラウンドに、新南陽(山口県周南市)の野球部員たちの笑い声が響いた。

 部員15人のうち、4人は高校から野球を始めた初心者。山本大翔(はると)君(3年)もその一人だ。

 小学3年からサッカーを始め、中学ではキーパー。野球はテレビゲームでしか触れたことがなかった。きっかけは同じ中学で野球部員だった中村友生貴君(3年)の誘い。全校生徒の約7割が女子の新南陽で、野球部の入部希望者は少なかった。中村君はユニホームやグラブを手に山本君の家を訪ねて体験入部に誘った。小学校から一緒だったがそれまで関わりはなかった。

 「新しいスポーツに挑戦してみたい」と思っていた山本君。体験してみると、ボールを直接蹴るサッカーと違い、道具を使う面白さにのめり込んだ。経験者ばかりの環境に戸惑いはあったが、荒田浩一監督の「絶対追いつけるようになる」という言葉に背中を押され、入部を決意した。一から道具をそろえるのはお金がかかると両親から反対されたが、一週間かけて説得した。

 入部当初はできなくて当たり前。だが、試合に出始めても結果が出なかった。代打で出場しても三振か内野ゴロ。一塁の守備でもミスが出た。

 そんな時、声をかけてくれたのがチームメートだった。中村君とは休みの日にも家の近くでバットを振った。「できなくても、野球が楽しい」と思えた。

 2年の6月、対外試合で放った初ヒットが忘れられない。リードされて迎えた九回裏2死の好機。狙っていた直球を思い切り振り抜くと、打球は右翼線へ。二塁から見たベンチで、チームメートが満面の笑みで歓声を上げていた。《ようやく打てた》。心の中でガッツポーズをした。

 山本君の姿を見て、後輩にも初心者が入部した。戸倉海斗君(2年)は中学まで陸上部。体験入部で、「できなくても楽しむことが大事だよ」と、山本君に言葉を掛けられた。吉光史一君(1年)は山本君のサッカー部の後輩。中学の頃から、自宅近くで山本君が練習する姿を見てきた。「山本さんができるなら、自分もできるかもと思えた」

 新南陽は開幕翌日の17日、岩国工と対戦する。山本君は「つらいことも多いけど、仲間と声をかけ合って乗り越えていくことが野球の楽しさ。野球部に入って良かったという気持ちを体現するようなプレーがしたい」。(寺島笑花)

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