高校野球宮崎大会展望(下)C、Dパート
2021年7月9日09時00分 朝日新聞デジタル
47チームが参加する第103回全国高校野球選手権宮崎大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)。10日に開幕し、ひなたサンマリンスタジアム宮崎(宮崎市熊野)、アイビースタジアム(同市跡江)の両球場で熱戦を繰り広げる。順調に進めば決勝は25日。C、Dパートの大会展望を紹介する。
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――Cパートの展望は。
浜田 延岡学園の投手陣では市原君がカギだと思っている。須藤君、佐藤君は計算できる。春にあまり投げていない市原君がよくなれば、3枚そろう。
猪股 打線に爆発力はないけれど、広本君と尼崎君の1、2番はいい。投手力に加え、よく鍛えられた守備も安定し、点を取られないのが強みだ。
三原 このパートも力が拮抗(きっこう)したチームがそろう。宮崎学園―都城泉ケ丘は面白そうだ。
友納 都城泉ケ丘の大型投手・山下君は184センチの長身から投げ下ろす。小林西は左腕・仲間君と右腕・島袋君の2投手。捕手の上原口君は打撃もいい。
浜田 (富島が)春に対戦した経験からも、小林西は強いと思う。
猪股 日章学園は深草君の打撃が光る。
三原 日章学園はいつも、夏にしっかり仕上げてくる。昨夏、見事な打撃でブレークした延岡工は?
浜田 打線に爆発力がある。歯車がかみあったときの打線はパート内でも上位にある。
三原 福島も牧野君が140キロ台を投げる。延岡工打線とどう渡り合うか。
友納 福島の部員は3年生が5人だった。残り4人をサッカー部などから借りると聞いている。
三原 高城は高妻君という非常にセンスのある選手がいて、投手もする。
友納 選手が少ないので、すべてのポジションをすべての選手が担う全員野球で臨む。
――Dパートは。
猪股 日南学園は攻撃力がある。投手力がやや劣る印象だ。2年生の田中君は140キロを投げる。対戦する都城はどうだろう。
友納 中田君という横手投げの投手がいる。彼が打線をかわせれば面白い。
三原 都城は捕手もよく、バッテリーはしっかりしている。だがやはり日南学園の打撃は手ごわい。中軸の村瀬君、門川君に機動力も絡めてくる。
友納 機動力を武器に手堅い野球をしてくるので、今までにない日南学園の怖さがある。投手では、黄(ファン)君の登板機会が目立つが、田中君がエース格だ。
猪股 黄君は打撃でも貢献する。
浜田 このパートは、都城、日南学園以外はすべて県立高校だ。
猪股 宮崎南の投手、年見君はいい。初戦の相手は宮崎大宮で、進学校同士の対戦となる。延岡は久々のシード。期待の投手、夏田君がいい体格をしている。
三原 結構打てるチームだ。2年生捕手の矢野君は肩がよく、打撃力もある。
猪股 対戦する都城西もよくまとまったチームだ。
友納 都城西の主戦・坂元君は130キロ中盤の直球が持ち味。2年生の横山君はスライダーが武器。打線が鍵だと思う。
三原 小林―宮崎北の対戦も面白い。小林は投手小原君を中心に1年生から試合に出ている選手が多い。
友納 2年前に8強入りしたときの選手が3年生。日向学院戦で九回2死から大逆転した経験を持つ。
三原 宮崎北も打線はいい。投手がしっかり投げればいい試合になる。宮崎西の投手、平尾君もいい。
友納 都城高専は選手のポテンシャルが高い。中学時代に県選抜だったメンバーがそろい、面白いチームだ。
――新型コロナの影響はどうでしょう。
友納 合宿や遠征が思うようにできなかった影響はあるだろう。
猪股 絶対的な練習量が少ない。スローイングや走塁のミスで試合の流れを変えてしまうチームが出てくるのでは。
浜田 昨年より今年の3年生の方がコロナの影響を大きく受けている。選手が自粛期間をどう過ごしたかで差が出るだろう。
三原 熱中症も心配だ。
浜田 夏はコンディション作りがゲームを左右する。暑さ対策をしっかりできるかどうかが大きい。
猪股 今年は甲子園という目標がある。勝つのはもちろん、「終わり方」も大事だ。選手一人ひとりが「やりきった」という思い出を持てるような大会になってほしい。(平塚学)