7月7日の高校野球 大分
大分大会は3日目の7日、別大興産スタジアムで1回戦3試合があった。由布は大接戦の末、中津北を破り8年ぶりの初戦突破。高田は大分上野丘を破り、7年ぶりに初戦を勝ち上がった。楊志館は、少人数で臨んだ安心院にコールド勝ちした。
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九回裏も背番号1の川田暉矢(あきや)投手(3年)がマウンドにあがった。八回まで投球数は130球になっていた。だが、疲れを感じさせない躍動感のあるフォームで投げ、笑顔を見せた。
川田投手は直前の九回表の喜びをかみしめていた。3点を追うこの回の攻撃、三浦親弘監督は、「2点差をひっくり返したことはあるが、正直、3点差を逆転するのは難しいと思っていた」と振り返る。
中津北の3年生は4人。1~4番の上位打線を任されていた。1死から1番吉川選手、2番上野選手の連打で勢いづき、川田投手も犠飛を放って一挙4点。三浦監督は「3年がよくやってくれた。そのがんばりに1、2年も応えて逆転できた」と涙をにじませた。
終盤に由布打線の猛攻を浴びた川田投手に、最終回を抑える力は残っていなかった。しかし、「みんなのがんばりで逆転できた。それだけで最後まで投げることができた」と試合後に振り返った。1人で投げきった140球。「やるだけのことはやった。悔いは全くない。3年の3人がいたからこそ続けてこられた。ありがとう、と伝えたいです」。エースはすがすがしい笑顔で語った。(倉富竜太)