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難病で入院中の監督のため 春は12年ぶり躍進、挑む夏

2021年7月13日16時15分 朝日新聞デジタル

 自分で考え、自分から行動を。そう導いてくれた監督はいま、難病を患い病床にいる。第103回全国高校野球選手権兵庫大会に向け、県芦屋(芦屋市)は主将を中心に結束している。監督不在を言い訳にしたくないとの思いが力になっている。

 木村和人監督(48)が5月末、練習中の野球部員約30人を突然集め、打ち明けた。

 冬に「天疱瘡(てんぽうそう)」という皮膚がただれる難病と診断されたこと。6月から数カ月の入院が必要になったこと。実は昨秋から体調がすぐれず、バットを握ると手の水疱(すいほう)が破れていたこと。春の大会の期間中は、口の中がただれて食事もままならなかったこと。

 阪本偲(しのぶ)主将(3年)は聞きながら、責任をもってチームを引っ張る覚悟を新たにした。「それが恩返しにもなる」

 指示待ちではなく、自分で考えられる選手へ――。これまでも監督から言い聞かせられてきた。昨秋の新チーム発足後は、自分で考えたメニューに各自取り組む「課題練習」を平日は倍の1時間に増やした。

 エースの阪本君は、筋肉不足が課題と考え、タイヤを押す練習を採り入れ、筋トレも増やした。球速は10キロ以上伸びた。捕手の尾崎進次郎君(3年)は、苦手なワンバウンド捕球を自ら克服した。

 そうして春の大会は12年ぶりに地区大会を突破し、夏のシード権をつかんだ。

 コロナ下だから、病院の木村監督とは面会できない。LINE(ライン)でチーム状況は報告している。

 《自分たちでバットを振ることを大事にしようと考え、ティーの時には連続と2、3年生は速射を入れるようにしました》

 「連続」とは、2分間で50本を目標に連続で打ち込むこと。「速射」とは、20秒間で10本以上打っては休むのを繰り返すこと。監督は《ええことや》と返してくれた。

 とはいえ、高校生の自主練習。きつい練習を遠ざけてしまうこともある。

 「勝つためには緩いことやってたらあかん」。そんな時は、3年前の主将だった内門(うちかど)孝太さん(21)が引き締めてくれる。体育大学に通う傍ら、週2回指導してくれる。

 木村監督は病室から、スマホの試合速報を片手に見守るつもりだ。

 阪本君は言う。「『自分たちで考える』はできている。監督に安心してもらえたら」。そんな後輩たちを内門さんは頼もしそうに見つめる。「部員たちは、誰も下を向いていません」(西田有里)

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