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監督から審判にチェンジ、元甲子園球児の46歳 富山

2021年7月7日14時52分

朝日新聞DIGITAL

 7日開幕の全国高校野球選手権富山大会で、デビューを待つ46歳の「新人」がいる。かつて球児を指導した元監督が、審判員に転身した。「球児たちが悔いなくプレーできるよう、正確なジャッジで試合を支えたい」と話す。

 富山県高岡市にある高岡龍谷教諭の国永尚典さん(46)。同県射水市出身で、小学校から野球を始めた。高岡商で内野手として活躍し、1992年夏はベンチ入りし、甲子園出場も果たした。

 教諭を目指し、大阪体育大へ。公立中学校の講師などを経て、2005年、高岡龍谷の教諭になり、野球部の監督に就いた。「真剣な中にも楽しみを見つける」を信条に指導し、18年には富山大会ベスト8の戦績を残した。

 19年夏を最後に引退。「違う立場から野球を見てみたい」と、審判員になることを考えるようになった。富山県高野連の審判長の西田秀幸さん(59)によれば、資格などは必要ないが、経験を積み、周囲から実力が認められなければ試合に立つことはできない。県内には約70人の審判員がいるが、監督経験者がなる例は「聞いたことがない」という。

 昨夏ごろから、本格的に準備を始め、練習試合で球審を買って出るなどして腕を磨いた。週末は少年野球や軟式野球など様々な大会の審判を務めている。今年の春の県大会では、塁審としてグラウンドにも立った。

 「緊張感が全然違う」と国永さん。ベンチにいる監督とは異なり、選手と同じグラウンドに立ち、一番間近でプレーを見られるのも楽しいという。

 今月4日には、高岡市内であった県内の高校同士の練習試合で球審を務めた。

 ストライクやボールの判定をするだけでなく、素早い攻守交代を促すときには「駆け足でいこう」など積極的に声を掛けた。

 両校の監督とは旧知の間柄。試合の合間には、選手にも投球動作についてアドバイス。「本番ではこんなことできないけど、公式戦で失敗して欲しくないから、ついつい」と笑った。

 富山大会で出番があるかどうかは分からない。「まだまだ勉強不足ですから。でも機会があれば、球児たちに負けないよう、元気よく堂々としたジャッジをしたい」と話す。(井潟克弘)

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