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データ分析望んで野球部へ 数字で闘う「ヘッドコーチ」

2021年7月10日13時47分 朝日新聞デジタル

 【岐阜】雑巾づくりにいそしむマネジャーの隣で、パソコンに向かい、選手のデータを整理する。スイングのスピード、打球の飛距離、走塁のスピード……。膨大な記録をもとに選手の課題や傾向を見つけ、助言する。

 中津川工の田口直樹君(3年)は、データ分析を担うマネジャーだ。

 小中学校では選手で、中日ドラゴンズファンの祖父と一緒にプロ野球中継を見ていた。「この選手、使うのあかんわ。あの選手を出していれば」。新聞に掲載される打率や盗塁数などのデータを見て、祖父と話をするのが好きだった。

 中2の夏休み、研究課題として夏の選手権大会のスコアやデータをまとめて提出したこともある。強豪校の初戦から決勝までのスコアをつけ、打球の飛ぶ方向を数値化し、新聞記事の切り抜きを添えた。朝から晩までテレビにかじりつき、宿題はそっちのけ。勉強しなさいと言い続けていた母親も、仕上がった課題を見ると舌を巻き、先生からも好評だった。

 「マネジャーとして入部させてください。データのまとめや分析が好きなので、やりたいんです」。高1の春、部活動見学の初日に勇気を出して福島崇晃(たかあき)監督(36)に伝えると、受け入れてくれた。

 初めは通常のマネジャー業務で手いっぱいだった。選手に頼まれた荷物を持っていく。球やバットの整理や管理はもちろん、ノックの補助、バント処理の練習相手もした。靴の向きがそろっていなかったり掲示物が曲がっていたり、次の練習に必要な道具を先まわって準備するなどの気配りができず、コーチ陣に叱られっぱなしだった。

 少しずつ慣れ始め、高2の秋の新チーム発足後、データ分析を本格化した。

 まず取りかかったのは、選手がファーストストライクでバットを振っている率を調べること。ファーストストライクで空振りだと、追い込まれて三振しやすいと分かった。フリー打撃の練習でも意識してほしいとデータを選手に見せた。

 昨秋からの公式戦の試合結果を分析し、どのイニングで得点し、失点するかを数値化した。失点の多いイニングは、いつもより注意して試合に臨むよう、監督が呼びかけた。集めたデータはコーチ陣に共有され、ベンチ入りメンバーを決める際の指針の一つにもなっている。

 対戦時には相手チームの分析も欠かさない。配球から分かることがあれば試合中に選手と共有する。

 部員からの信頼も厚い。井戸悠登(はると)主将(3年)は「数字で現状や課題を把握でき、練習メニューを考えられる。数字をもとにした指示には説得力がある」。福島監督は「データを見て戦術を考えている。ヘッドコーチのような存在」と話す。

 助言が生かされ、チームの勝利に結びついたときにやりがいを感じる。「失敗を次に生かし、勝ちにつなげるのが僕の役割」。夏の大会では記録員としてベンチ入りする予定だ。「データをもとに選手と一緒に戦いたい」(佐藤瑞季)

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