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アプリや最先端機器導入で強豪に成長 脱「がむしゃら」

2021年7月13日15時58分 朝日新聞デジタル

 ブルペンで、投手が投げ終えた直後、横で見ていた指導者は手に持ったタブレット端末のデータをじっと見つめた。投手もマウンドの横に設置された大型のモニターに目をやった。「少し頭がぶれているな」。指導者は、投手に指摘した。

 2014年に夏の甲子園に初出場して以来、5年間で3度甲子園に出場し、強豪校に名乗りを上げた大分。指導者と投手が見ていたのは、その大分が4月に導入したばかりの機器「ラプソード」が瞬時にはじきだしたデータだ。

 ラプソードは、高性能のカメラとレーダーを搭載した簡易型弾道測定器で、タブレットには、投げて数秒で球速はもちろん、回転数や変化量、打者から見た軌道、リリースポイントの角度や高さが表示される。

 弾道測定器は、大リーグや日本のプロ野球でもほとんどの球団で導入されている。投手を指導していた広瀬茂部長(45)は、「データに基づき、論理的に説明することができる。選手もただがむしゃらに投げ込むのではなく、考えながらやることができる」と、その魅力を語る。

 大切にしているデータの一つが、リリースポイントの高さだという。「高さが下がったということは、腕だけで投げているということ。胸の大きな筋肉を使って、体全体で投げると、リリースポイントは自然と高くなるんです」

 エースの後藤昂佑(こうすけ)投手(3年)は「いい球が出た時のリリースポイントの高さや手首の角度、腕と体との距離を知ることができる。そのフォームを反復練習して、体に覚え込ませます。昔のように迷うことはなくなりました」と笑顔を見せる。自宅で、いいフォームの動画を見返し、イメージトレーニングすることもできるという。

 最先端の機器だけに、値段は決して安くないが、広瀬部長と一緒に強豪校に成長させた松尾篤監督(48)が私費で購入したという。広瀬部長は三重(現・三重総合)、福岡大とずっと投手をしてきた。「データを根拠に論理的に説明することも重要だが、無理なフォームで投げていないかチェックすることもでき、投手のけがを防ぐこともできる」と、ラプソードを購入した理由を語る。

     ◇

 動画投稿サイト「ユーチューブ」や無料通信アプリ「ライン」――。スマートフォンが普及した今では、こうしたサービスを使って練習方法を学んだり共有したりしている野球部は少なくない。大分は2017年、野球チームのマネジメントアプリ「PLAY BY BASEBALL GATE」を導入した。

 「当時、世間では高校生とスマホのかかわりが社会問題化されていた。あくまで高校野球は教育の場。禁止して、選手たちが間違った付き合い方をするのではなく、うまく利用する方法を教えたかった」。広瀬部長は、導入のきっかけを語った。

 そのアプリでは、スコアやスケジュールを管理するだけではない。例えば、その日あった部内試合の反省点を記したノートを接写し、アプリに投稿する。チャンスをいかせなかった場面は、何が原因だったのか、どうすればよかったのか。全員で反省点を共有し、それぞれが時間のあるときにスマホで何度も見返し、考えることができる。練習ではその場面を想定して再び取り組むという。

 多くの私立の強豪校は、寮を完備し、ほかの都道府県から有能な選手を集めてくる傾向がある。だが、大分には寮はなく、多くの選手が自宅から通っている。そうした環境でも、スマホアプリや最先端の機器を、うまく利用して強豪校に急成長してきた。

 広瀬部長は「実戦に即し、考えた練習につながっている。ただがむしゃらにバットを振ったり、感覚で投げたりしても、選手は成長できない」と話した。(倉富竜太)

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