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敬徳球児27年指導 元監督・鷹巣さんに育成功労賞

2021年7月1日09時30分 朝日新聞デジタル

 日本高校野球連盟と朝日新聞社が、高校野球の発展と育成に尽くした指導者を表彰する「育成功労賞」に、佐賀県から敬徳高校(伊万里市)の元監督、鷹巣聡(あきら)さん(65)が選ばれた。「好きな野球をやってきて賞をいただくなんて光栄です」と喜ぶ。

 1989年に敬徳高校(当時、伊万里学園高校)の監督に就任し、2018年夏に退任するまでに計27年間、指導にあたった。

 指導者に興味を持ったのは宮城県の仙台大学野球部に在籍した大学2年生の時、ある選手を見てからだ。新入生で主軸を任されながら故障し、コーチに転向したその選手は、ゴロの処理の仕方や走塁などの野球の知識や指導方法をコーチとしても生かした。

 その姿をみて、体が大きくなかった鷹巣さんは、指導者の道へ進もうと思い始めた。

 本も買った。ベーブ・ルースら大リーグの名選手らの活躍を記した「大リーグ不滅の名勝負」、「甲子園・熱戦の記録」を読み、一流選手の野球に向かう真摯(しんし)な態度や活躍から「野球の原点」を調べ、指導方法を模索した。大学卒業後、地元の有田町にもどり、陶器関係の仕事をしながら、まずコーチとして有田工で約9年間つとめた。

 伊万里学園の監督就任後、当時伊万里や唐津地区の野球部が遠征先の佐賀市で午前中の試合でなかなか勝てないことに気づいた。練習を朝方にする工夫をしたり、選手らに臨機応変な対応力や自信をつけさせるために雨天練習に力を入れたりもした。

 鷹巣さんは監督人生をふりかえり、指導者として力を入れたのは「社会に通用する人間づくり」だったと語る。勝った負けたではない。高校時代、野球にかかわるのは人生の限られた期間にすぎない。高校野球で培ったものをその後にすすむ社会、人生に生かしてほしい。そんな思いだった。

 いまの球児らに対し、「情報があふれる時代、野球に対する価値観が変化している。志を高く、みんなで苦難を乗り越える精神力を養ってほしい。それは変わらない」と話した。

     ◇

 「練習に対する姿勢は厳しいが、時にやさしく情に厚い。『よか指導者』だった」。敬徳で鷹巣聡監督時代に主将を務めた植松昌幸さん(42)はそう話す。

 植松さんは中学生から野球を始め、敬徳に進学した。「練習がとにかくきつかった」とふりかえり、鷹巣監督の指導方針を「練習はうそをつかない」だったと語る。

 1年生の時、練習がきつく退部しようと思い、学校を休んだことがある。数日後の夜、鷹巣監督が自宅を訪れ、車ですし店に連れて行かれた。休んだことを叱られることもなく「好きなもの食え」「明日から来いよ」とだけ言われた。生徒を見放さない監督の姿をみた。

 翌日から練習に打ち込み、1年秋にレギュラーになった。主将として臨んだ最後の夏は初戦で終わった。厳しい練習から解放される安堵(あんど)感と悔しさを今も思い出す。

 現在、鹿島市ですし店を営む。「どげんや、がんばりよぉーや」。鷹巣さんが時折、店を訪れる。(大村久)

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