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1年生24人、一から作った野球部 光英VERITAS

2021年7月10日13時31分

 【千葉】4月10日、光英VERITASの校舎横のグラウンドには、真新しいユニホームを着た1年生24人が集まった。今春、共学化に伴い新設された野球部の練習場にはバックネットもない。

 「君たちがこの野球部をつくっていくんだ」

 舘野文彦監督は最初に、こう声をかけた。練習初日は、新品のボールやバットのビニールをはがすことから始まった。部員全員が顔を合わせるのは、その日が初めてだった。

 森田虎之介(1年)は、1年生だけでチームをつくることに胸が躍っていた。ただ、思ったよりも多いチームメートと体つきの良さに、「レギュラー入りできるかな」とも不安に。

 森田が野球を始めたのは5歳。とにかくプロや高校の野球を見るのが好きだった。友達と外で遊んでいても、ディズニーランドに行っても、夏の高校野球の試合中継はスマートフォンで欠かさず見るほどだ。

 でも、一度だけ野球をやめようと思ったことがある。

 地元のクラブチームで硬式野球をしていた中学1年の夏、腰に激痛が走った。検査で腰椎(ようつい)分離症と診断され、練習ができなくなった。バッティングマシンのボール入れや、球拾いをする日々が続いた。短い期間だったが、仲間はどんどん力をつけていった。「このまま一生野球ができないのかなって。つらかった」。森田はチームを辞めた。

 硬式野球をやめて3週間ほど経ったころ、同じ中学校の軟式野球部員の同級生から誘われた。やっぱり野球から離れられなかった。

 入った軟式野球部は、クラブチームとは雰囲気が違った。森田はウォーミングアップで声が出ていないことが気になった。

 「もうちょっと声だしていけませんか」

 当たり前のことを言ったつもりだった。でも上級生からは、「生意気だ」と思われたという。そんな上下関係に嫌気がさすこともあった。

 中学3年の夏、野球部の新設に奔走する舘野監督から突然メンバーに誘われた。そういう学校があることすら知らなかった。母や姉の出身校に進学することも考えていた。でも、舘野監督のいう「一から自分たちでつくる野球部」にひかれた。

 創部から1週間がたった日曜日、チームは初めての練習試合を迎えた。

 チームメートの中にはまだ話したこともない人もいて、守備の声かけはぎこちない。でも、久しぶりに聴く「カキン!」という打球音が爽快だった。森田は硬式野球ができる喜びを全身で感じていた。

 この2カ月半、あいさつやアップの声かけの仕方など、新チームのルールを一からつくってきた。先輩も後輩もいない。森田は「のびのびできてたのしい」。

 館野監督は「上級生がいれば入った時から決まり事があって従えばいいわけだけど、いまはそうではない。話し合って自分たちで決めていく。きっといい経験になる」と話す。

 今月21日、初の公式戦となる夏の千葉大会のレギュラーメンバーが、舘野監督から発表された。段ボール箱の中には真っ白な背番号が入っており、ひとり一人に手渡して「この背番号は20年、30年と引き継いでいくもの。最初につけるのが君たち」と伝えた。

 森田が受け取った背番号は「4」だった。「まだ実感が湧かないけど、1桁はうれしい。チーム全員で勝ちにいく」。光英VERITASが「第一歩」を踏み出す夏が始まる。(敬称略)

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