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支えられ、地域とともに 鵡川・遠軽・知内野球部

2021年6月26日07時45分

 鵡川高校の野球部寮は2018年9月の胆振東部地震で半壊した。以来、部員たちは避難所やコンテナ型の仮設寮で暮らしていたが、昨年12月に町の助成を受け新寮が完成した。

 グラウンドは学校の一つと町営の二つがあり、室内練習場も備える。町は万全の環境を用意して野球部をサポートしている。「何をやればいいか迷うくらい、練習環境がそろっています」と、山崎航生主将は笑顔で話す。

 この春には故・佐藤茂富さんが監督だった02年、部長として共に甲子園へ導いた小池啓之さん(69)が監督に就任した。前監督が退任するにあたり、竹中喜之町長から「鵡川の野球の火を消さないで欲しい」と直談判されたという。

 小池監督は「これだけいい練習環境を与えられているんだから、頑張らなきゃね」。チーム伝統の全力疾走はこの夏も健在だ。山崎主将は「頑張る姿を見せて町民のみなさんに感動を与えたい」と意気込む。

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 遠軽高校も地元のバックアップを受ける。遠軽町は15年度から町内唯一の高校である同校生徒への助成事業を開始。生徒数確保のため、通学や下宿費用の補助を行ってきた。野球部では4割に当たる約30人が、町の助成を受ける下宿生だ。

 4月には同窓会長の支援と町の補助などで野球部専用寮を新設。部員とスタッフが一つ屋根の下で共同生活を送る。

 町の助成事業について、阿波克典監督は「過疎化や私立校野球部の強豪化が進む中で、地方公立校の新たなモデルになれるのでは」と期待を寄せる。「町の助成は会社員でいうお給料。部員には、町からお給料を頂いている『プロの高校野球部員』として自覚を持って生活し、野球で恩返しするように伝えている」

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 今春の選抜大会で21世紀枠候補になった知内高校の推薦理由は、地域振興への貢献だった。知内町は人口約4千人の小さな町。野球部はそんな町に深く根ざした活動をしている。

 マネジャー2人を含む部員69人のうち町内出身は6人のみ。町外からの部員は寮生活を送っている。吉川英昭監督は「よそから来ている自分たちこそが、町の振興の起爆剤になれたらと思って活動している」と話す。「よそ者」が自ら進んで町へ歩み寄る。それが知内野球部の活動だ。

 寮生は毎朝6時20分の点呼後、道路掃除をしながら町を15分ほど散歩する。練習でもランニングの時は学校を出て街中を走る。

 公式戦後には、町の人から「よかったね」「惜しかったね」と声がかかる。「特に試合に負けた後なんかは、町の人がすごく気遣ってくれる。外に姿を見せれば元気だと伝えられるし、選手も自分たちは見られているんだと意識できる」と、吉川監督は話す。

 同校では生徒が役場や企業で職業体験をし、課題解決のプランを練る「地域創生学習」を行っている。考案した教員は吉川監督だ。部員たちも役場で観光PRを考え、漁協で特産のカキの生態調査を経験した。練習でも授業でも、町に積極的に関わっている。

 町外出身の生徒たちの活動は、地元出身の部員にも刺激を与えている。生徒会長も務める南利樹選手は、将来は教員になって、吉川監督のように地域の活性化に貢献したいという。「みんな優しくて、いつも応援してくれる知内が大好き」と話す。

 選抜出場がかなわなかったぶん、「夏こそは甲子園」との思いは強い。川村亮太主将は言う。「部だけでも、学校だけでもない。町全体の『チーム知内』で甲子園に行きたい」。見守ってくれる町への思いを胸に30日、初戦に臨む。(川村さくら、佐野楓)

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