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野球部支える公務補さん 練習見守り、ケーキの差し入れ

2021年6月30日17時35分

 学校の設備の管理を担う「公務補さん」が、野球部にとって欠かせない存在になっているのが北北海道大会・空知地区の栗山高校だ。「指導者というよりは先輩」という不思議な距離感で、部員たちの心のよりどころになっている。

 同校は部員8人。公式戦には他の部などから助っ人を借りて出場する。紅白戦は人数が足りずできないため、試合を想定した練習では守備位置にコーンを置いてイメージをつける。

 同校OBでもある伊藤幸秀さん(42)は、公務補になって19年目。草刈りや電球交換、除雪などの校内整備業務を担っている。野球経験はない。着任後、当時の監督から「大人がひとり見てくれていたら安心だから」と、留守中の見守りを任せられたのが、部と関わるきっかけだった。

 「顧問ってわけでもないですからねえ。心持ちとしては、いくつになってもやっぱりOBだし、子どもたちはみんな後輩です」。練習はグラウンドの外で見守り、練習後は部室で部員らと過ごす。「18年間野球部を見てきたので、様子が変だとすぐ分かる」と言い、どこかをかばって走っている部員がいれば、練習後に「痛いんか」と確認する。

 部員が集中していないと気づけば、しばらく練習に顔を出さない。すると部員たちが昼休みに「伊藤さん、頑張るから見に来て」と、公務補の控室にそろってやってくるのだという。

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 取材した日は、昨年卒業して就職した元部員が伊藤さんに会いに来ていた。練習を見ながら、仕事のことや同級生の暮らしぶりなどを伊藤さんに話す。その様子はまるで、旧友に会いに来たようだった。

 古川泰弘監督(40)は「伊藤さんを頼んなきゃやれない」という。同校は規模が小さいこともあり、部長の肩書も古川監督が背負っている。4年前に着任した際には伊藤さんから部の練習方法などを聞き、今も部員の様子など情報をやりとりしながら指導している。

 副主将の田中統葵選手は兄2人も栗山の野球部だった。「きびしい人だって聞いてたけど、やさしい」。練習後にはストレッチを手伝ってくれ、大会前にはケーキを買ってきてくれるのだという。「伊藤さんがグラウンドをいつも整備してくれるから練習もできるし、感謝してる。試合では長打を打ってかっこいい姿を見せたい」(川村さくら)

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 公務補が野球部を支えてくれているという学校は他にも多い。

 旭川実(山内智裕部長) 除雪や草刈りだけでなく、大型バスの運転もしてもらっている。旭川は雪が多いが、それを毎日ブルドーザーでよけてもらう。おかげで冬もグラウンドで練習ができる。

 留萌(佐々木大介部長) ネットやベンチが壊れた際には「いいよ」といつも応じてくれる。留萌の豪風雪の中でも、練習用のビニールハウスの除雪もしてくれる。

 士別翔雲(歳桃浩二部長)雨風で傷んだネットの溶接など練習環境の整備で大変助けられている。新型コロナの対策としてグラウンドに手洗い場も設置してもらった。

 帯広南商(安藤尚徳部長)バッティングマシンの修繕など、自分たちではとてもまかないきれない部分をやってもらっている。そんな公務補さんから「がんばれ」と言ってもらうのは、部員にとって独特な意味があると思う。

 帯広三条(坂田直人部長)ネットの溶接や道具の修繕。おかげで新しいものを買わず、同じものを使い続けてお金がかからずに済む。自分たちが手をつけられない部分を助けてもらっていて大変ありがたい。

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