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野球部のルーティンは地蔵参り 部長も知らない珍習慣

2021年6月30日17時15分

 野球部員たちの毎日のルーティンは、お地蔵様への「お参り」だ。

 札幌山の手高校は同市西区の市街地にあるが、グラウンドは同じ区内でも山側にのぼった場所にある。部員たちは練習時間になると、5キロほどの道のりを自転車で駆け上がる。その道中、グラウンドの手前の歩道沿いにたたずむのが「福井開拓記念地蔵尊」だ。

 部員たちは練習の前後に地蔵の前を通るとき、地蔵に頭を下げる。およそ70人もの部員たちが歩道のすみに自転車を止め、次々に「こんにちは」と声に出しながら深々と頭を下げる。自転車は左側通行なので帰りは地蔵の反対側を走るが、それでも車道越しに頭を下げる。どうやらもう10年ほど、脈々と受け継がれてきた習慣らしい。

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 24年以上部長を務める山田勇教諭(47)は数年前まで、この習慣を全く知らなかった。地元の人に「いつもお地蔵様にあいさつしてえらいね」と言われ、初めて知ったという。「そんなことしてたのかと驚きました」

 富樫翔貴主将は入部当初に、先輩から「土地が開拓されていなかったら、今こうして練習することはできないんだから。開拓した人たちに感謝するんだ」と習慣について教わったという。「最初はびっくりしたけど、ずっとやってきたので今はもう体にしみつきました」

 自宅と学校の間にある他の地蔵や神社の前でも一礼するようになった。「自分は『野球でいいことがありますように』と願ってあいさつしています。調子が悪いときに1本ヒットを打てたりすると、御利益かなって思います」

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 山田部長が卒業生たちに確認したところ、2008年に入学した生徒たちのころにはあったと言うから、少なくとも10年以上は続いていることになる。いつ誰が言い出したのかは定かでないが、当時はもう部全体に浸透していたという。

 地蔵を管理する福井7丁目町内会長の森下秋夫さん(77)によると、地蔵は1899年に建てられたという。周辺を開拓した福井県人らが創建し、今でも地元の人が掃除や雪かきなど手入れをしている。

 森下さんが習慣に気づいたのは6、7年ほど前だった。地蔵の前を歩いていると、部員が自転車を降りて「こんにちは」とこちらに頭を下げていた。自分にあいさつしているのかと思ったが、目線を追うとその先は地蔵だった。「地元の歴史が若い人にも大切にされていてうれしい。いつもグラウンドで練習している声も聞こえてくるし、ぜひ大会もがんばってほしいね」と期待を寄せる。

 富樫主将は「夏の大会では、日々お地蔵さんにあいさつしてためた運で流れを持ってこられたら」と語る。札幌山の手は7月1日、札幌麻生球場で夏の初戦を迎える。(川村さくら)

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