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自分を信じてやるだけ 宇和島東の甲子園投手から後輩へ

2021年5月22日09時00分

 昨夏の甲子園中止が決まって1年。いまもコロナ禍の出口は見えず、愛媛県内の高校の部活動は制限が続く。宇和島東のエースだった舩田清志さん(19)は、昨夏に目標を失った球児のひとりとして、「やってきた練習は無駄にならない。自分を信じて」とエールを送る。     ◇

 後輩たちは、夏に自分たちのできることを出し切って、楽しんでくれたらうれしい。いま対外試合もできなくて不安でも、自分を信じるしかない。

 自分も去年の自粛期間中、球速が20キロ落ちて、野球やめたいと思うぐらい、落ち込んでいました。5月20日に、グラウンドの部室の前に集められて、監督から中止が決まったと聞きました。そのときは「ないんかあ」って、平然としていました。

 でも家に帰ってから、悔しくなって。晩ご飯をすごく時間をかけて食べて、部屋にこもりました。それでも眠れなくて、夜12時に外で素振りをしました。

 2年生の夏、甲子園に行って、世界が変わった。すごいとこ来たぞと。甲子園のグラウンド自体は、すごく小さく見えました。でも観客席が近い。上から圧迫されるみたいな。

 試合はあっという間。ただただ夢中で、あんまり記憶はない。自分の出来は最悪でした。思った球が投げられなかった。だから3年になって、もう1回行って、活躍しようと思っていました。その甲子園が、なくなった。

 素振りの後も、全然寝られん。そしたら、仲間から「4時に起きろ」とLINEが来て。仲間と近くの海岸で走って、朝日を見て、勢いで泳いだら、気が晴れたんです。「甲子園ないんだったら仕方ない。割り切ろう」と。

 それから、3年生全員で話し合いました。最後に全員で爪痕残してからじゃないと引退できないと思ってたんですけど、これが結構難しかった。

 「断固拒否」のやつもいるんです。「甲子園のない野球は意味ない」って。それに対して「後輩に技術を伝えたい。進学目指して勉強頑張らないかん俺が出るのに、なんでお前は出んのか」って言うやつもいる。1回で全く収まらず、何日かかけて「全員で出る」と決まりました。

 いままで、そんな会議もしないチームだったんです。甲子園というひとつの目標に向かってやるだけ。それを疑問には思わなかった。でも一人ひとりの本音をぶつけて、尊重し合って、団結できた気がしました。下がった球速も、自粛前より良くなった。

 夏の(独自)大会は、みんないつも通りの雰囲気だった。決勝まで勝ち上がっても、「やばい、勝った勝った」みたいな。

 決勝は、勝っても負けてもこれで終わり。「楽しまな悔いが残る」と思って、投げました。負けたけど、出来は悪くなかった。納得して終われました。

 大会が終わって1週間、野球に一切触れなかった。でも体がむずむずして、野球をやりたくなった。いまは松山大学で野球を続けています。最後まで頑張ったから、野球への気持ちが上がったんだと思います。

 甲子園はなかったけど、自分たちは「かわいそう」ではなかったと思う。団結力や、切り替える力はコロナがあって得た。人生はそんなに甘くないし、思い通りになるわけがないとも、勉強になった。

 あきらめずに小さいことから積み重ねたら、思っている以上のことが起きる。やってきたことは絶対に無駄じゃない。いま不安な後輩たちも、3年間頑張ってきたと自信を持っていいし、誇っていい。自分を信じてやるだけだよって、伝えたいです。(聞き手・照井琢見)

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