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出産1カ月前でもベンチ入り 女子野球先駆者の思いとは

2021年5月7日13時29分

 全国高校女子硬式選手権大会の決勝が今夏、阪神甲子園球場で開催されることになった。女子選手はもちろん、女性指導者にとっても夢の舞台となる。

 大学野球界にはかつて出産を約1カ月後に控え、ベンチに入った監督がいたという。どんな思いだったのか。女子野球を取り巻く環境が変化するなか、話を聞いた。

 現在は至学館大女子硬式野球部のコーチを務める深沢美和さん(34)。

 2016年11月に第1子を出産した。当時は監督で、妊娠後も指導を続けていた。「8月ごろまではノックもしていました」

 チームは10月に開催される全国大学女子硬式野球選手権大会への出場を予定していた。

 出産予定日が近づき、おなかが大きくなって、ユニホームが着られなくなった。

 「マタニティーウェアでベンチ入りしてもいいか」

 相談を受けた全日本女子野球連盟の山田博子会長は「素晴らしいことではないか。体調が許すなら、ぜひ実現して欲しいと思った」と当時を振り返る。ユニホームを着なくても問題がないことを審判委員会などに確認してオッケーを出した。

 当日はユルユルのトレーニングパンツ(ジャージー)を着て、ベンチに入り、サインも送った。

 「選手たちはどう気遣っていいのか分からない感じもあったけど、保護者の皆さんが『監督に重いものを持たせちゃだめ』とか配慮してくれました」と懐かしむ。

 深沢さんは静岡県沼津市出身。1歳下の弟の影響で野球を始め、中学時代は硬式の富士リトルシニアで男子に交ざってプレーした。

 静岡・加藤学園高時代はソフトボール部で活躍したが、中京女子大(現・至学館大)に硬式野球部ができると知って1期生として入部した。

 2年になった06年からは主将を務め、チームは男子の愛知大学リーグ(5部)に参加した。男子チームとの対戦を重ねたが、45戦全敗で卒業した。

 女子プロ野球などでもプレーした後、12年から至学館高と至学館大の女子硬式野球部監督に就任。15年に鈴木雄太・現至学館高監督(34)と結婚し、19年3月には第2子を出産している。

 「私が監督になったころ、既婚の女性監督はほとんどいなかった。今は両立の大変さに悩むこともあるけど、選択肢を広げることはできたと思う」

 女子野球の普及が進むなか、高校世代には甲子園への道が開けた。

 「レベルはどんどん上がっているけど、まだまだ頑張らないと。見ていて楽しめるスポーツにすること、パフォーマンスを上げることが私たち指導者の使命です」

 選手たちには「学生スポーツらしく一生懸命、フェアプレーに徹することが大切」とエールを送る。

 「その上で、女子らしい明るさを皆さんに見ていただきたい。いい意味で悲壮感がないというか(笑)。みんな、野球をするのが楽しくて仕方ないんです」(編集委員・安藤嘉浩)

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