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球速120km、監督は元甲子園球児 女子高校野球の今

2021年4月28日15時47分

 この夏、甲子園がさらに熱くなる。

 兵庫県丹波市で毎年開催されている女子高校野球の全国選手権大会。その決勝の舞台が阪神甲子園球場になることが28日、発表された。夏の甲子園大会準々決勝翌日の休養日、8月22日に行われる。

 4月2日。選抜高校野球大会決勝の翌日、甲子園球場から約500キロ離れた地でも、全国の頂点をかけた高校野球の熱戦が繰り広げられていた。

 埼玉県加須市で開かれた第22回全国高校女子硬式野球選抜大会決勝。開志学園(新潟)が5―3で履正社(大阪)に逆転勝ちした。

 開志学園は3点を追う七回、それまで1安打に抑えられていた打線が奮起する。7番大友渚月、8番関口心愛の連続適時打など、この回4長短打を集めて5点を奪い、逆転した。創部9年目で初優勝し、関口は「打った瞬間は頭が真っ白。みんなの笑顔を見てうれしさがこみ上げてきた」。

 4年ぶりの選抜優勝を逃した履正社の選手たちは悔し涙を流した。

 この選抜大会は全国から33チームが集まった。7イニング制で、球の速い投手は120キロ近くの直球を投げ、力自慢の打者は重さ900グラムのバットを使いこなす。ヒットエンドランやスクイズを駆使した攻撃はスピード感もあり、迫力があった。

 開志学園は、28人の2、3年生部員のうち、26人が寮生活を送る。関東を中心に、新潟県外から「全国制覇」をめざして進学してきた生徒も少なくない。2017年から指導する漆原大夢監督は、新潟明訓の一塁手として2010年夏の甲子園で8強入り。オリックスで活躍する漆原大晟投手の兄でもあり、「打ち勝つ野球」を掲げる。

 平日の練習は2、3時間ほどだが、練習以外でも絆を深めてきた。選手は野球ノートに自身の課題や目標を書き込み、週に1回、監督に提出する。監督は一人ひとりにメッセージを書き込む。交換日記のように繰り返してきた。

 「直接言いづらいことでも、ノートなら自由に書けちゃう」と選手たち。昨春、コロナ禍で休校となって選手が帰省した際も、「LINE」を通してやり取りを続けた。

 全体練習が再開されても、活動は制限された。冬場は大雪の影響でグラウンドが使えなくなり、二つあるビニールハウスの中で打撃練習をしていたという。優勝メダルを首にかけ、主将の三浦帆菜は言った。「苦しい1年だったけれど、みんなで笑顔を忘れずに野球を通して結束できた。もっともっと成長して、強くなりたい」

 めざすは「春夏連覇」。次は甲子園で、歓喜の輪をつくるつもりだ。(山口裕起)

     ◇

 女子高校野球 全国高校女子硬式野球連盟加盟校は4月時点で40校、登録選手数は約1100人。加盟校数は増加傾向にあり、裾野は広がっている。夏の全国硬式選手権は1997年に第1回が東京都で開かれ、第8回以降は兵庫県丹波市で開催されてきた。最多優勝は埼玉栄の7度、神村学園(鹿児島)が6度で続く。春の選抜大会は埼玉県加須市で行われ、今春が第22回だった。選手権、選抜ともに7イニング制で指名打者制を採用する。日本高野連加盟の野球部で男子と一緒に活動する女子部員もいるが、公式戦には出場できない。

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