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PL、ロッテ、5カ国の経験…行き着いた野球の形って?

2021年4月14日14時00分

 先日、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」で、「指導者を置かない野球」について話す人がいた。声の主は、大阪・PL学園高出身の元プロ野球選手、小林亮寛さん(41)。5カ国・地域を渡り歩いてプレーした経験から、既存の形にとらわれない普及活動をしている。

 小林さんは、福岡市博多区の住宅街で、2015年1月からベースボールワークアウトスタジオ「コビーズ」を経営する。チームに所属していない選手は、練習場所を探すにもお金も時間もかかる。個人でもトレーニングできる場所を作りたいと考えたのがきっかけだ。

 自身も色々なチーム、場所で野球を続けてきた。出身の福岡では、中学時代に強豪硬式クラブで活躍。「成長できる場所」としてPL学園高に進学した。

■「答え合わせ」ができない

 当時のPLは、2学年上に福留孝介(現中日)、1学年下には大西宏明(元オリックス)や平石洋介(現ソフトバンク1軍コーチ)らがいた。だが、故障などで小林さんの出場機会は少なく、主力となった3年夏は大阪大会8強で敗れた。

 185センチの長身から投げ下ろす力強い速球を買われ、ロッテからドラフト6位指名を受けたが、壁にぶつかった。「けがもあって経験値の少ないままプロに行き、何を基準に取り組めば1軍に上がれるのかわからなかった」

 コーチの言うフォームが自分に合っているのか「答え合わせができない」ままプレーした。すると、思い通り体を動かすことができない「イップス」になった。習得したシュートも、打者にぶつけると試合に出場できなくなるのでは、と考えるようになった。

 5年間で65試合の2軍戦に登板したが、1軍登板はないまま戦力外に。中日で3年間打撃投手をした後、現役を諦めきれずに合同トライアウトを受験した。最速142キロは、参加者で一番速かった。「チャンスがあれば、まだできるんじゃないか」。06年3月、その一心で渡米した。

■結果出れば、強みわかる

 「プロ野球の5年間はずっとけがをしてたのか?」

 米独立リーグの球団関係者にロッテ時代の成績を提出したとき、言われた言葉に衝撃を受けた。1年平均で13試合、登板数が少なすぎるという意味だった。独立リーグは人数もぎりぎりで、結果が全ての世界。カナダのチームと契約し、3カ月半で40試合、約70イニングも投げた。「投球フォームなんかは関係なく、結果を出せば契約が続く。その中で自分の強みにも気づけた」

 試合で投げる機会が増えれば、自然と“答え合わせ”もできた。シュートで攻める姿勢も取り戻せた。08年には台湾でゴールデングラブ賞も獲得した。メキシコ、韓国でもプレーし「やりきった」と34歳で引退した。

 日本と海外での経験から、野球は教わるものではなく、経験から知っていくものと痛感した。「子どもの頃から体も大きかったし、PLでは少人数だったから気づかなかったけど、強豪チームになるほど補欠も多い。指導じゃなく、経験できる機会を作りたい」

 スタジオ運営の傍ら、17年に「福岡県中学硬式野球育成会」を立ち上げた。中学3年生が中学野球を引退する8月から高校入学前の2月まで、土日に練習や実戦の「場所」を提供する。

 指導者はおらず、プロアマ様々な経験を持つ約60人がサポートし、求められたら助言をする。試合でメモをするのは結果ではなく、打席数や投球回だ。会費は都度払い制で、自分の都合で参加できるようにもしている。「指導はチームでもできるから、その外側からサポートしたい。経験を積める機会を増やしたい」。いつかはカテゴリーを広げたいと考えている。(大坂尚子)

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