「八巻家最強」の男がHR 父には秘密の帽子の書き込み

2021年3月30日12時01分

 (29日、選抜高校野球 天理10―3仙台育英)

 2点を追う三回。先頭打者の仙台育英・八巻真也君(3年)は、低めの球を狙っていた。相手エースの達孝太君(3年)は193センチの長身で速球が持ち味。フライを打ち上げまいと警戒した。

 4球目。低めの狙い球を捉え、手応えを感じた。「入れ」。打球が右翼ポール際に入ると、ベンチは「よっしゃー!」と沸いた。大会第7号のソロ本塁打が、この日チームの初得点になった。

 幼い頃から雨でもバットを振り続ける野球好き。福島県内の自宅から、強豪選手が集まる宮城県内の中学に野球留学。父裕真さん(43)は「八巻ジュニアは最強」と鼓舞し、試合後にスイングを確認してはLINEでアドバイスし、母裕美さん(44)は車で送り迎えして支えた。

 普段から口数少なく、家族の前で弱音を吐くこともないという。今大会、帽子のつばの裏に「八巻家最強」と書き込んで臨んだ。

 試合後、理由を問われたものの、八巻君は「最強になれるように」「色々教えてもらったり」と言葉少なだった。書き込みを初めて知ったという裕真さん。「残念だったな。また大舞台で活躍できるようにがんばってください」とメッセージを送ると、短い返信が来た。「ありがとう」(近藤咲子)

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