3試合で459球の天理・達「マウンド譲る気はない」

2021年3月29日13時30分

 (29日、選抜高校野球 天理10―3仙台育英)

 1回戦の宮崎商戦は161球で完投、2回戦の健大高崎戦は134球で完封。1人で投げ、勝ち上がってきた天理の193センチのエース・達(たつ)孝太は準々決勝のこの日も、当然のように先発マウンドにいた。

 「疲労は全くなかった」と取材に語っていた右腕。だが、この日は不調だった。

 球が浮き、制球が定まらない。二回までに5四死球を出した。それでも、味方が四回に4点を取って勝ち越してくれたことで、切り替えられた。「駄目だなと思ってずっと投げていたけど、点をもらって気持ちのスイッチが上げられた」。仙台育英の淡泊な攻撃にも助けられ、8回3失点にまとめた。

 この日も164球を費やしたが、球数は気にしない。あるのは、エースの意地だ。「他の投手にマウンドを譲る気はないという思いでずっと投げている」

 中村良二監督も「まだ投げたかったんだと思う」と気持ちを理解している。ただ、この日は球数を見て九回から継投の判断を下した。

 中村監督は天理の主将として、1986年夏の第68回全国選手権で優勝している。その時、同級生のエース・本橋雅央さんが右ひじを痛めながら投げていたのを見てきた。

 その経験から、投手の表情や言葉以外にも、捕手に確認するなど、状態把握を怠らないようにしているという。

 休養日を挟んで、準決勝は31日に行われる。今大会は「1週間に500球」の球数制限が設けられた初めての甲子園大会。天理の1回戦は20日と早かったため、制限に引っかかる可能性はほぼない。

 中村監督は「甲子園は普通の投球とは違うプレッシャーがかかって、相当負担になる。無理はさせないけど、投げられる状態であれば、投げさせたい」と話す。(大坂尚子)

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