天理の絶不調エースを救った打線 誓った「達を助ける」

2021年3月29日13時00分

 (29日、選抜高校野球 天理10ー3仙台育英)

 不調のエースを打線が救った。同点の四回。2死満塁で打席に立った天理の9番政所(まどころ)蒼太はバットを指1本分短く握った。「まっすぐ一点張り。よし来たぞって感じ」。フルカウントからその直球をはじき返すと、勝ち越しの2点適時打が三遊間を抜ける。続く内山陽斗も2点二塁打で続いた。

 1、2回戦を完投した達(たつ)孝太はこの日、球が荒れた。二回までに5四死球を与え、三回は4長短打を浴びて同点に。中村良二監督が「あんな達は見たことがない」というほど絶不調だった。四回の攻撃は、政所の目の前でその達が3球三振を食らい、流れは相手に傾きかけていた。

 「達を助ける」。いつも右腕に助けられてきた野手陣は試合前に誓った。冬場の打撃練習で球速160キロのマシンを打ってきたから、球威のある仙台育英投手陣の球も怖くない。誰に指示されたわけでもないのに、午前4時半から宿舎の前に選手が集まり、素振りをした。

 計9安打10得点に「野手の期待に応えたいと思った」と達。中盤から息を吹き返し八回まで投げた。優勝した第69回大会(1997年)以来、24年ぶりの4強進出だ。(山口裕起)

関連記事

アクセスランキング

注目動画

一覧へ